いろは親水公園での英会話教室の勧誘許可

いろは親水公園での英会話教室の勧誘許可に対する市からの回答

別項『いろは親水公園リニューアル検証-その3』で書いたいろは親水公園での英会話教室の勧誘許可について、あきらかに公共施設としてはおかしいと思い、市長への手紙で以下のように問い合わせました

いろは親水公園のリニューアル後、新河岸川左岸の公園入り口付近では英会話教室の勧誘が行われるようになりましたが、これについて、
1. 公共施設であるいろは親水公園で英会話教室の勧誘などは認めるべきではないと思いますが、市長はなぜこれを認めているのですか?
2. いろは親水公園以外の市が直接管理する公園でも同じような業者から営業許可を求められた場合、志木市はこれを許可するのですか?
3. いろは親水公園における英会話教室の勧誘について管理会社はどのような契約で英会話教室に営業許可を出しているのですか?この許可が有料か無料なのか明確にした上でを答えてください

要約すると以下になります

  1. いろは親水公園で英会話教室の勧誘を許可しているのはおかしいのでは?
  2. 市直営の公園でも同じことを認めるのか?
  3. この許可は有料か?

これに対して市から以下のような返信が届きました

今井あさと様

 市長への手紙にてご意見いただきました件についてお答えいたします。
 ご承知のとおり、いろは親水公園は令和4年8月より指定管理者による管理となり、公園の使用許可についても指定管理者が行っております。
 ご指摘のありました行為について確認しましたところ、申請当初は資料配布のみとのことでしたので、指定管理者において許可をしておりましたが、現状確認を行ったところ、勧誘行為と疑われる状況が見受けられたことから、今後は許可しないこととする旨の報告がありました。
 なお、市が直接管理する公園にあっても同様の行為の許可は行いません。
 また、今後申請の際における取扱いについては、市と指定管理者で内容の情報共有と調整を図ってまいります。
 なお、今回の許可に対しては、志木市いろは親水公園等の管理及び運営に関する条例に基づき、料金を徴収しております。
 貴重なご意見ありがとうございました。

なにかとんでもないことがいろいろ書かれていますので以下に1つずつ見ていきます

ひどい詭弁にあきれます

回答の「資料配布のみ」との申請だったので許可したが、確認したら「勧誘行為と疑われる状況が見受けられたことから、今後は許可しない」という点ですが、

資料配布は勧誘行為そのもの

この英会話教室の勧誘は人気キャラクターの絵のついたポケットティッシュや無料サンプルという「資料」の「配布」をきっかけに会話にもちこみ、「配布」と引き換えに簡単なアンケートなどと言って電話番号や住所等を記入させ、後日電話や訪問でセールスという手法ですので資料配布自体が勧誘行為でありそこに境目などないことは明白です。またこの勧誘行為は数ヶ月にわたっていつも管理事務所(ウォータパーク脇のオレンジの壁の建物)の前で行われていましたので管理事務所が気づかなかったはずもなく管理事務所を司る指定管理者であるSHIKISAIパートナーズがこの勧誘行為を認めていたことは明らかです

そもそも資料配布ならいいのか?

また仮に市長が資料配布と勧誘行為は別なんだ!と強弁し続けるとしても、そもそも公共施設で特定の企業の営利のための宣伝行為=資料配布を認めるということ自体が異常です。普通は市が管理する公園などの掲示板にポスター1枚貼るだけでも市に申請して審査を受けて公共性や公益性があると認められることが必須であり、「資料配布のみ」であれば問題ないかのような説明はまったくおかしいです。それとも今後は指定管理者に料金を払って無言でやるなら公共性も公益性もない民間企業のチラシやティッシュの配布がどんどん認められることになるとでも言うのでしょうか?

やはり安易な民間委託は危険

私の2点目の質問である市が直接管理していても同じことを認めるか?に対し、市長は「同様の行為の許可は行いません」と答えています。これはまったく当然であり特定の英会話教室と有償契約して公共施設内での勧誘を認める地方自治体など聞いたことがありません。しかしいろは親水公園ではこういう歯止めがなくなってしまった、市の直営なら許可されないことが市が民間委託すると許可されると市が自ら言っているわけで安易な民間委託の危険性が如実に現れていると言えます

「民間活力の活用」という名の無責任な丸投げ

市長からの回答の「今後申請の際における取扱いについては、市と指定管理者で内容の情報共有と調整を図ってまいります」という部分をみて、今までこういう情報共有が行われていなかったことが明らかになり大変驚きました。市はふたこと目には指定管理者がと言いますが、いろは親水公園はあくまでも志木市の公園であり、市長自身が市のランドマーク(市の象徴)であると言っている公園です。直接的な管理運営は指定管理者に委託したとしても、市が無関係になったなどということはなく、その管理運営の状況を日常的に把握しチェックするのが当然ですが、市はそうしたチェックを怠り指定管理者まかせにしていたわけです。市長は「民間活力の活用」などと言って民間委託を進めていますがこれでは「活用」ではなく単なる無責任な丸投げです。こういうところにも安易な民間委託の危険性が現れていると思います

市議会は何をしているのか?

市議会の大きな役割は市長の行政をチェックし問題があれば正すことです。市民の大切な共有財産であるいろは親水公園でこういう営利活動が4ヶ月もくり返されていてそれに気づく議員は一人もいなかったのでしょうか?やはり無投票全員当選の議会では十分な機能が果たせないのでしょう。残念なことです

SHIKISAIパートナーズは誰のパートナー?

本件の英会話教室はショッピングモールなどでもブースを出して勧誘したりしているそうですが、その場合は私企業同士で契約して私有地内で企業活動を行っているわけですから何も問題はありません。いろは親水公園の指定管理者はSHIKISAIパートナーズという会社ですが、この会社はいろは親水公園の管理運営も同じようなものだと考えているのではないでしょうか?ショッピングモールなどの私有地と市民の共有財産である公共施設の公園の違い無視して、単に使用料収入があるからという理由で英会話教室の勧誘を許可したのでしょう。市長は民間委託にあたって「民間にはノウハウがある」などと言いますが、こういうことがその「ノウハウ」なのでしょうか?私の質問に対し市からの回答ではあっさりと「今後は許可しない」となりましたが、もしかしたら実は市も驚いている、無責任に丸投げしておいたらまさかこんな非常識な許可が出されてしまっていたとは!というところなのかもしれません

最後に

私自身は現在フリーランスのプログラマとして私企業の中で働き私企業の営利活動の一部から得た収入で暮らしていますので企業の営利活動すべてを否定するようなつもりはありません。しかしだからといってどんな営利活動も肯定するかといえばやはりそれも違います。市民のささやかな憩いの場が営利活動の狩場にされるようなことには賛成できない、そんなことを民間活力などと言っているのはおかしいのではないかと思うのです

いろは親水公園のリニューアルについて考える上で、民間委託前のいろは親水公園では特定企業の宣伝や勧誘などは公認されていなかったが民間委託後にはそれが有償で公認されるようになってしまったという事実は重要なポイントとしてここに記録をとどめておきたいと思います

入り口で企業の勧誘員さんのセールストークが連呼される公園を安心して楽しく利用できるでしょうか?それは市民が望むリニューアルの姿だったのでしょうか?

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>今井あさと

今井あさと

埼玉県志木市在住。敷島神社の近くに住んでます。27年間ほど都内の私立高校で非常勤講師をした後にフリーランスのプログラマを経て現在はほぼ休業中。非正規一筋の人生です(笑

非常勤講師で教えていたのは公民科(政治経済・現代社会・倫理など)。今でも政治や社会に強い関心があり、志木市の政治についても詳しく見てみようと思いこのようなブログを立ち上げました

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