2022年4月13日、志木市は志木市粗大ごみ等収集運搬業務委託事業に係る公募型プロポーザルの実施を発表しました
志木市粗大ごみ等収集運搬業務委託事業に係る公募型プロポーザル
<実施要領と委託仕様書>
市は事故の責任も丸投げ?
このサイトでも何度かとりあげていますが、公募型プロポーザルとは応募者たちが対象業務全体の進め方の提案で競い、勝者が対象業務をまるごと委託される仕組みで、良く言えば民間活力の活用、悪く言えば丸投げです
私はこのプロポーザルで公表された志木市粗大ごみ等収集運搬業務委託仕様書を読んでいて以下の部分がちょっと気になりました
このプロポーザルでは業務全体を委託しているのだから、もし事故があった場合はその責任はすべて受託業者が負い、市は一切責任を追わないと宣言しています。そうするともしゴミ収集車にはねられ損害賠償を求めたが受託業者が応じなかった場合、あるいは受託業者が賠償額を払えずに倒産してしまった場合などに市に対応を求めても「市は一切の責任を負わない」と契約しているのでといった理屈で門前払いされてしまう可能性があります。粗大ごみ回収は地方公共団体が行うべき公共サービスの1つであり税金も使われているのに、事故がおきた場合は業者との契約を盾に知らん顔というのは被害者をおきざりにする不誠実な行政であると思います
そんなに都合よく責任逃れができるのか
この問題は市と業者と被害者の三者間での争いになりますが、参考になる事件が実際に高知県高知市であったようです。小学1年生がゴミ収集車にはねられて死亡した事件で委託した市の賠償責任も認めた判決です
ごみ収集の業務を委託していた市も賠償責任を負うかが争点だった。石丸将利裁判長は判決理由で、市は本来の業務を委託している組合と緊密な一体性があるとして、組合による収集車運行の安全確保を監督すべき立場にあると判断した。
引用元:産経新聞 – ごみ収集車小1男児死亡、委託の市にも賠償責任
<同じ事件の参考リンク>
2つ目のリンクの記事によれば高知市は控訴せずに一審判決を受け入れたようです
最後に
ゴミ収集は公共サービスの1つですからそこで事故がおきた場合に「市は一切の責任を負わない」などという理屈が通らないことは明らかであり、万が一事故がおきてしまった場合、市は受託業者とともに事故加害者の一方として被害者救済を第一に行動することが必要です。また公募型プロポーザルでの募集においても市は事故にあたって無責任になることはなく常に責任をもって対応することを明記していただきたいものです