この点字ブロックはひどすぎないか?

別項でも何度か書いてきましたが、去年8月にリニューアルされたいろは親水公園ですが、あらためて中洲の点字ブロックを見てみるとやはりこれはかなりひどいと思います

直線なら30m足らずを8回も曲がらせる点字ブロック

市が公開していた設計図の上に現在の点字ブロックを黄色で書き込んでみました。なんと!トイレに行くまでに7~8回、文化財の村山快哉堂に行くまでにも8回の屈曲と2回(AとB)のグレーチング(側溝の蓋)による断絶があります。

図に「ここに作るべき」と赤線で書き込んだ部分に点字ブロックを設置すれば1から6番までは必要なくなりますので村山快哉堂までは8番の分岐のみ、トイレに行く場合も 8番・7番・9 か10番で曲がるだけですむようになります

入り口から村山快哉堂までは直線ならわずか30メートル足らずですが、ここに行くために8回も曲がらせる、こんないじわるな点字ブロックは他になかなかないのではないでしょうか?

屈曲部の点字ブロックは丸い突起がならんだ点状警告ブロックと呼ばれますが、視覚障害者はこのブロックにくると立ち止まりこれが何の警告(階段?角?分岐?行き止まり?その他?)なのかを白杖を使ったり入り口の点字案内板の記憶をたどって探る必要があります。これはとても神経を使うことですし間違うこともあり得るのでそのストレスや恐怖は大変なものなのではないでしょうか?わずか30メートル足らずでそれを8回もやらせる公園、これが志木市のランドマーク(市の象徴)などと呼ばれているのはとても残念に思います

古い公園で点字ブロックを後付けする話ではない

もしこれが何十年も前に作られた公園に後から点字ブロックを設置するというようなことであれば屈曲が増えてしまうのもやむを得ないかもしれませんが本件は違います。今回のリニューアルはこの写真のようにすでにあった大量の樹木を伐採し村山快哉堂の建物以外はほとんど丸坊主にしてほぼフリーハンド状態で一から設計して進められたわけですから、最初からバリアフリーやユニバーサルデザインの観点をもって設計していればこんな点字ブロックになるはずがありません

市長は点字ブロックが嫌いですか?

冒頭の画像と同じ番号を振ってあります

この場所で不思議なのはCの部分で点字ブロックの色を変えていることです。一般に点字ブロックが黄色なのは弱視者にとっても点字ブロックが歩行の助けになるからで、政府も原則として黄色を推奨しています。必ずしも黄色でなければならないわけではなく周囲の地面とのコントラストがはっきりすればいいそうですが、Cの部分はむしろ周囲の色に溶け込んで目立たないようになっており弱視者にとっては認識しづらいのではないかと思われます。またなぜこんな短い部分だけ色を変える必要性があるのか理解に苦しみます。この公園の設計者は黄色い点字ブロックを邪魔で見苦しいもの、オシャレに作ったカフェの入口にあってはならないものだとでも考えているのでしょうか?点字ブロックを公園の入り口中央に通さずカフェの裏に回らせたのもそういう考えからかもしれません。点字ブロックは視覚障害者の命綱です。弱者にとっての命綱を邪険に扱う設計は公共施設の設計にふさわしくないと思います。なぜ市長はこのような設計を許したのでしょうか?

実際の写真でたどってみると

以下、上の写真の1番から続けて村山快哉堂とトイレまでの順を実際の画像で追ってみます。視覚障害者がこれだけ曲がるのは相当大変なことなのではないかと思います

写真で見れば中央の入り口に点字ブロックを作る十分なスペースがあることは一目瞭然です

参考リンク

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