現在の志木市政、市長選の投票率は過去2回とも1/3程度、議会は候補者が集まらず無投票全員当選、そのうえ14人中2人が問題を起こして辞職勧告決議や猛省を促す決議可決という惨憺たる状況、しかしもっとひどいのはこのような事態に対して市政改革が何一つはじまっていないことです。投票率が低いのは市民の政治への関心が薄いから、とすべて市民のせいにして放置するのは市長や市議会の怠慢です。関心を持ってもらうための努力、何かしているんでしょうか?関心を高めるためにすぐにでもできそうな事はいろいろあるのではないでしょうか?
市議会って何を審議してるんですか?
市議会では様々な議案が審議されますが、どんな議案が審議されているのか?市が発行する議会だよりには議案の件名と審議結果の一覧が掲載されるのみで内容まではわかりません。市長提出議案は概要が発表されますがこれも概要のみで詳細まではわかりませんし行政用語や法律用語だらけで意味もわかりにくいです。また審議内容を知るためには議事録を読まねばなりません。今の市議会は「何をやっているのかわからない」、市民からとても遠い存在になってしまっています。例えば下の2つのリンクの文書を見て市議会が何を審議しているかよくわかるという人はどれだけいるでしょうか?
- 議会だよりしきNO.193号(令和3年9月発行)「令和3年志木市議会6月定例会議案等一覧及び審議結果」
- 令和3年志木市議会6月定例会提出議案等概要
<すぐにでもできる改革案>
- 議案提出者(市長または議員)は自分の提出する全議案について、サマリー(要旨)を作り議会の審議前に公開してください。そうすれば市民はこれからの議会で何が審議されるのかを知ることができ、議会への関心が高まります。サマリーは18歳以上の一般市民むけの平易な言葉で作ってください。有権者は18歳からなので18歳の市民が理解できる言葉で説明することが肝心です。できる限り専門用語は使わずに平易な表現を使用し、やむを得ず専門用語を使う場合はすべてにその説明をつけてください。18歳の有権者からボランティアでモニターを募集しサマリーを読んでもらい文章の改善に役立てるなどするのも良いでしょう
- 各議員は自分が参加したすべての採決に対し、自分の採決(賛成・反対)の理由を上記と同じく平易な言葉で説明する文書を毎回公表してください。そうすれば市民は議員が選挙公約を守っているか、自分の投票行動が正しかったか、などを検証し次の選挙の参考にすることができます
- 議長は閉会後には審議内容を振り返る総括文を上記と同じく平易な言葉で公表してください。特に意見が別れた議案などについては詳しくその論点を説明してください。そうすれば市民は今考えるべき課題は何なのかを知ることができます
- 市長は閉会後に市長の立場からの振り返りの総括文を上記と同じく平易な言葉で公表してください。そうすれば市民は市長と市議会が健全な緊張関係のもとで市政を進めているかを確認することができます
- 市長が選び議会の承認が必要な人事案件(市の幹部や教育委員会委員など)では対象者の経歴と選考理由を事前に公開してください。また本人の自己紹介・決意表明を文書または動画で公開してください。そうすれば市民の市政への信頼を高めることができます
委員会ってさらに遠い存在ですね
志木市議会には常設では総務厚生常任委員会と市民文教都市常任委員会の2つの常任委員会と議会運営委員会、特別委員会としては現在は市民会館及び市民体育館再整備等特別委員会があります。委員会は本会議よりも細かい具体的なことが議題になるので非常に重要ですが、これらの審議内容も現状では議事録を読む以外に知るすべがありません
<すぐにでもできる改革案>
- 委員長は開会前に今回の委員会では何が話し合われるのか、主要な論点は何かなどについて上記と同じく平易な言葉で説明する文書を毎回公表してください。そうすれば市民の委員会に対する関心が高まります
- 各委員(議員)は自分が委員会でどのような質問・発言をしたのか、自分が行ったすべての採決の理由について、上記と同じく平易な言葉で説明する文書を毎回公表してください。そうすれば市民は自分たちの身近な問題について各議員がどれくらい理解しているのか、どれくらい代弁してくれているのかを知ることができます
- 委員長は閉会後には審議内容を振り返る総括文を上記と同じく平易な言葉で公表してください。特に意見が別れた論点などについては詳しく説明してください。そうすれば市民は自分たちの身近な問題について今何が論点になっているのかを具体的に知ることができます
市長って日々何してるんですか?
市長は日々何をしているのかと思い、志木市のホームページを見てみたのですが「市長の部屋」を開いても市長日程のようなものは見つからず、他のページも探してみましたが見つけられませんでした(2021/9/23現在)。近隣の他の市も同様なのかと思い調べてみると以下のようになりました。Googleで「xx市市長日程」で検索(xxに市の名称)して市長日程のページがヒットした市は「あり」、他は「みつからず」としています
市長がどんなスケジュールで仕事をしているのかを公開することは情報公開のものすごく基本的なことだと思うのですがなぜ公表しないのでしょうか?もしかして志木市長は私用で登庁しない日が多く、日程を公表するとそれが露見してしまうことを恐れているのでは?などの疑念を持たれかねません。「市長の部屋」には市長の個人ブログへのリンクがあり、そこでは多少の日程がわかりますが市民受けの良さそうなトピックのみを掲載して「仕事してます!」アピールをしているだけで市長日程の全体像はわかりません。掲載数も月に一桁という月もあり、その他の日は何をしているのか不明です(御自宅で休養でしょうか?)。そもそも市役所の公式ホームページで市長の個人ブログを宣伝すること事体公私混同だと思われます
<すぐにでもできる改革案>
- できるだけ詳細な市長日程を公開してください。富士見市や和光市の公開形式に加え公務を休んだ日(登庁も公務での外出もない日)は休んだと明記してください。市長が日々何をしているかを知ることは市民と市長の距離を縮めることにつながります。この程度のことは改革というレベル以下の話です
- 市民からの問い合わせに市長が答える「市長への手紙」への市長の返信内容を公開してください。もちろん手紙を送った市民の個人情報等には十分に配慮し、市民側の問い合わせ内容は個人が特定されないように要約するとか予め公表の可否を聞いておくなどの手段を講じた上で、市長が市民に対してどのような返事を送っているのかを公開してください。そうすれば市民と市長の絆を強めることができます
まとめ
普通の人間関係だって自分に関心を持ってもらいたいと思ったら自分を知ってもらうための様々な努力をするでしょう。市政だって同じはずです。市民の関心を高めたければ市政で行っていることをできるだけ市民に知ってもらう努力をするべきです。もちろんここまで書いてきたことを実行したからと言ってすぐに市民の関心が高まるとか選挙の投票率が上がるなどということはないでしょう。しかし上記は特に予算を使わなくても今すぐできる容易な改革です。いずれの提案も文書を作って市のホームページで公開すればいいだけの簡単なことです。容易にできることがあるのにそれをやりもしないで「市民の意識が低い」などと言うのはとんでもない責任転嫁です。多くの市民は日々の仕事や生活に追われ、それらを維持することに精一杯で市政にまで目が行き届かないというのが実情でしょう。その市民からの信託を受けて職権をもち、生活を維持するに足る歳費も市民から受け取っているわけですから、市政を改革する第一義的な責任を負っているのは市長と市議会議員です。彼らが、本音を言えば組織票があるので投票率が低いほど選挙に有利、候補者が少ないほど自分の落選の心配が減る、あわよくば次も無投票でなどと考えている人たちばかりではないことを願うばかりです