埼玉県知事在任中に統一教会のダミー団体に祝電
2003年から2019年まで16年にわたって埼玉県知事、2019年からは参議院議員(埼玉県選挙区)を努めている上田清司さんは、2006年に統一教会のダミー団体である天宙平和連合(UPF)がさいたま市で行った「祖国郷土還元日本大会」という集会に祝電を送っていたそうです
<参考リンク>
- 統一教会のダミーに祝電「54人政治家リスト」出回る(FACTA ONLINE)
- 統一協会・集団結婚に祝電(2006年6月25日(日)「しんぶん赤旗」)
- 統一協会への祝電54人(2006年7月14日(金)「しんぶん赤旗」)
- 安倍元首相と旧統一協会系の関係(2022年7月18日(月)「しんぶん赤旗」)
全国霊感商法対策弁護士連絡会が抗議
同様の祝電は安倍晋三官房長官(当時)をはじめとする多数の国会議員や知事、計54人が送っていたそうですが、これが集会で読み上げられて紹介されるということは国会議員や知事がこの団体を支持しているとのお墨付きを与えるものであり、この団体を支援することに他なりませんから、統一教会の霊感商法などによる被害者救済のためにたたかってきた全国霊感商法対策弁護士連絡会が抗議し公開質問状を送りました。この公開質問状にたいし、上田清司さんは祝電を送ったことを認めた上で以下のように回答しています
■公開質問状の項目
(1) 貴殿らは、どのような事情で祝電を送り、あるいは大会に出席されたのでしょうか。
(2) 天宙平和連合(UPF)が統一教会のダミー団体であることをご承知だったのでしょうか。
(3) 貴殿らの公設、私設秘書には統一教会の信者としての経歴を有す者はいませんか。
(4) 今後、統一教会の組織活動について同様の対応をするお考えでしょうか。
■上田清司さんの回答
(1)以前に元県議会議員の方から依頼を受け、同氏が世界平和連合埼玉県連合会の代表というお立場もあり、「平和世界の実現を提唱する」世界平和連合埼玉県連合会あて祝電をお送りしたものです。
(2)統一教会のダミー団体に祝電をお送りしたという認識は全くありません。あくまでも世界平和連合埼玉県連合会あてにお送りしたものです。
(3)おりません。
(4)宗教団体への祝電送付等については、今後、誤解を招くことの無いよう対応して参りたい。
<公開質問状全体へのリンク>
上田さんの回答について
■県議会への統一教会の浸透
祝電を依頼したのは元県議で、同氏は世界平和連合埼玉県連合会の代表だと言っています。団体名がいろいろあって紛らわしいですが、本家である世界平和統一家庭連合(旧統一教会)のサイトには天宙平和連合も世界平和連合も統一教会の創設者である文鮮明がたくさん創設した姉妹団体(ダミー団体)の1つであると明記されていました。この団体の埼玉組織の代表が県議であり知事もその依頼を聞いて祝電を送るほどの近しい関係だったという。統一教会は様々な方法で政治家にすり寄って政治的影響力を持とうとすることで有名ですが、地元の県議会にも浸透していたとは驚きました。これは16年前の出来事ですが、昨今の報道をみると統一教会の政界への浸透はますます進んでいるようで、現在ではどうなっているのか心配です
■子どもじみた言い逃れ
「統一教会のダミー団体に祝電をお送りしたという認識は全くありません」と言っていますが、世界平和連合が統一教会と関係あると知らなかったなどというのは無理がありすぎます。統一教会自身が世界平和連合の創設者は文鮮明だと公言しているのですからちょっと調べればわかるはずであり、知らなかったなどという言い逃れは到底受け入れられるものではありません。もし本当に知らなかったまたは気づかなかったのなら情報収集能力が低すぎて知事も参議院議員も失格でしょう
<2022/9/8 追記>
現埼玉県知事の大野元裕さんは記者会見で2002年以降、自分を含む埼玉県知事は統一教会関連団体のイベントに合計24本もの祝電を送ってきたと公表しました。上田さんは2003年から2019年まで16年にわたって埼玉県知事であったのでその大部分は上田さんが送ったものと考えられます。関連団体とは知らなかったなどという子どもじみた言い訳で誤魔化せるレベルの数ではありませんね