志木市のジェンダー平等への現状

ジェンダー・ギャップ

世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が発表した「ジェンダー・ギャップ指数2021」で日本は156か国中120位(前回は153か国中121位)と、相変わらずジェンダー平等とは程遠い状況にありますが、志木市の現状はどうなっているのか、市が公開しているいくつかの文書をみてみます

志木市役所の女性職員数は減りはじめている?

令和元年度の市役所の職員数は男性216人・女性174人で女性の比率は44.6%と悪くない数字になっていますが、志木市特定事業主行動計画(以下の画像)によれば同年度の新規採用者のうち女性は29.4%となっており、この数字が続くと全体にしめる女性の割合は下がってゆくことになります。採用試験受験者数でも女性は30.5%だったそうなので、現在の市役所に職場としての魅力を感じる女性が減っているということでしょうか?

志木市役所の女性職員の昇進

志木市特定事業主行動計画によれば現在の志木市役所の女性職員の昇進状況は以下のようになっています

そもそも管理的地位における女性の割合を15%以上、主幹級以上(管理的地位+主幹級)で25%以上という目標自体が随分低いものに見えますが、管理的地位では課長を増やしてなんとかクリアしたものの主幹級以上では目標に届かずという状況です。また部長級においては0というのも深刻です

同文書には職員へのアンケートで「自ら管理職を希望する女性職員が少ない」という回答が一番多かったとありますが、そうなる原因は本当に出産と育児だけなのか?旧態依然とした男性中心的な障壁は残っていないのかなどをもっと掘り下げてゆく必要があるでしょう

志木市の各種審議会における女性の比率

令和2年度版志木市の男女共同参画推進状況によると志木市の各種審議会における女性の割合は以下のようになっているようです

埼玉県全体との比較では大差ないとはいえ30%未満というのはかなりひどい数字だと思います。原因の一つが「役職に基づく委嘱」ということですが、これは上述の女性職員の地位が総じて低いことによるものであり、この点からも女性職員の管理的地位への登用を促進してゆく必要があります

また上記画像の右側の女性委員がいない審議会というのもひどい話で、ここに政治倫理審査会・懲戒審査委員会・環境審議会などが含まれているのは大変深刻な問題だと思います。懲戒審査においてはセクハラによる懲戒が対象になる可能性がありますが、セクハラの被害者は多くの場合女性なわけですから、ここに女性の目線での審査を入れずに男性だけで審査するのは極めて不公平です

志木市男女共同参画推進条例は絵に描いた餅なのか?

志木市男女共同参画推進条例の第16条2項には以下の規定があります

2 市は、審議会等における委員を委嘱し、又は任命する場合にあっては、積極的格差是正措置を講ずることにより、男女いずれか一方の委員の数は委員総数の10分の4未満にならないよう努めるものとする。

市は自らこのような条例を作っておきながらその一方で上記のように女性0の審議会を作っているというのは大きな問題です。条文には「努めるものとする」とあり努力義務なのだから現状で達成できていないくても構わないというのかもしれませんが、そうであればどのような努力をしたのかを市民にきちんと説明するべきです。条例の努力義務とはやってもやらなくてもどっちでもいいなどという適当なものではなく、文字通り努力することを市に義務付けているわけですから、その努力の内容を説明する責任が市にはあります

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