現在、志木市議会の議員定数は14名ですがこの数字は他市と比較した場合に異常とも言える少なさです。以下、全国市議会議長会が公表しているデータから必要部分を抜き出して具体的に見ていきます
- このページの各データの出典:市議会議員定数に関する調査結果(令和3年12月31日現在)
埼玉県内全40市の議員定数の比較
人口7万人台の他市との比較
議員1人あたりの人口での比較
議員1人あたりの人口が多くなるということはそれだけ議員と市民の距離が遠くなるわけですから、少ないほうが望ましいですが、議員の数が増えすぎても経費がかかるので市ごとに適切な数を模索することが必要ですが、他市と比較してみると現在の志木市の数字は適切とは言えないと思います
過剰な「身を切る改革」で定数激減
志木市議会の議員定数はかつては26名だったそうですが、これが段階的に14名にまで減らされてきました
- 平成12年:26名→21名
- 平成16年:21名→19名
- 平成20年:19名→15名
- 平成27年:15名→14名
議員定数が14名になった当時の平成27年12月定例会の議会議事録をみると定数削減の理由として「議会みずからの身を切る」「経費節減」「他市に先駆けた先進的な取り組み」「(3年間1名欠員が続いているが)議会運営上の支障はなく」などがあげられています。また定数を減らしても残った議員がその分頑張ればいいという趣旨の発言もみられました
身を切られたのは市民では?
はたして議員定数を減らすことは議会の身を切ることなのでしょうか?議員というのは市民の声を議会・行政に届けるパイプ役なわけですからそれが減って困るのは市民の方ではないでしょうか?「身を切る改革」というパフォーマンスで定数を半分近くまで減らしていったのは明らかに過剰だったと思います
議員の活動量は増えたのか?
当時の議会での定数を減らしても残った議員が頑張ればいいという発言ですが、実際の結果はどうだったでしょうか?別項『志木市議会議員のみなさんの働きぶり-2021』などを見ていただくとわかりますが実態はかなりお寒い状況で、多数のパイプが減った分、結果的には市民と議会との距離は開くばかりだったのかもしれません
先駆けたが誰も続かず
大幅な議員定数削減を他市に先駆けた先進的改革!と胸を張ってみたものの続く市はなく一人突出したまま今日に至っています。他市からは志木市議会の「改革」なるものはやりすぎ・単なるパフォーマンス・議会の自己否定などに見えたのかもしれません
議員定数と無投票全員当選
志木市議会では前回の市議選で候補者が定数分しか集まらず無投票全員当選になってしまったという問題もあります。候補者が集まらなかった理由はいろいろあると思いますが、その1つに極端に議員定数が少ないことで他市より当選のハードルが高く、それだけ立候補しづらいという点もあると思います。上にも書きましたが例えば蕨市は面積や人口が志木市と近いですが定数は18で当選枠は4つも多いのでそれだけ立候補しやすいと考えられます。志木市議会の過剰な定数削減はやる気はあるが組織力や資金力のない人や少数意見の代弁者などを立候補から遠ざけてしまったのかもしれません