新複合施設建設の発注方法を調べてもらうだけで1500万円も支出
令和6年度6月議会において、第45号議案として令和6年度志木市一般会計補正予算(第3号)が提出され可決されましたが、この補正予算の中に新複合施設の発注方式再検討支援業務として1500万円が計上されていました。この「発注方式再検討支援業務」とは一体何でしょうか?6月議会の総務厚生常任委員会の議事録によると、令和6年1月に市が募集した新複合施設建設の入札で1社しかいなかった参加者が途中で辞退し失敗に終わってしまったため、今度はCM業者というものに依頼して成功しそうな発注方法を調べてもらおうということのようです。ここでいうCM業者のCMとはコンストラクション・マネジメント(construction management)の略であり、建設事業を発注者に代わって設計段階、発注段階、建設段階まで管理する仕事です。今回は発注段階部分の検討を委託するようですが、その費用1500万円の内訳は市場調査に500万円、発注方式の検討に1000万円だそうで、もちろんすべて税金です。香川武文市長は「民間活力の活用」が大好きですが、もはや志木市は自力では新複合施設建設の発注ひとつ行うことができず、無責任に民間業者に丸投げしようとしており、その費用に税金1500万円をつぎ込もうとしているわけです。現時点で発注を成功させようとすれば、CM業者に依頼しようがしまいが建設予算を値上げするか予算据え置きで規模縮小かということになりますが、要はその時の言い訳、「専門業者の調査の結果、これだけの値上げは避けようがなかった」と言うための材料を揃えてもらう、またもし再び入札に失敗した場合の市長の責任逃れのための防壁としてのCM業者への依頼、その費用が1500万円だということではないでしょうか?この間志木市はふれあい号の廃止や国民健康保険税の値上げその他の福祉の切り捨てを進め、そのときには決まって市にはお金がないと言ってきたのに、こういうときにはポンと1500万円も出てくることが私には不思議でなりません
市長の失政の尻拭いの1500万円
別項『どうなる?新複合施設』や『新複合施設入札失敗は市長の失政』でも書いてきましたが、今回の問題の本質は香川武文市長の失政です。市長は建設業界の2024年問題をきちんと理解せず甘く見ていたため、まさか新複合施設建設の入札に誰も来ないなどとは夢にも思わず、先に旧市民会館パルシティを壊してしまった。パルシティの建物は老朽化していたとは言えすぐにも使えなくなるほどではありませんでしたので、2024年問題をきちんと理解して入札失敗の可能性を考えていれば、建設業者決定前にパルシティを解体するという政策はあり得なかった。パルシティが残っていれば焦る必要はなく2〜3年様子を見ながら事業を進めていくことができたはず。これは明らかに香川市長の政策判断ミスによる失政、その尻拭いとしての1500万円です
建設業界の2024年問題の概略
- 2019年、働き方改革関連法が成立。残業規制や週休2日制の徹底など時間外労働の規制が強化された
- 中小零細企業の多い建設業・運輸業には企業体質改善のために2024年までの5年間の猶予期間が設けられた
- 2024年、猶予期間が終わり建設業・運輸業でも時間外労働の規制がはじまり人手不足が急激に進行。つまり5年前からこうなるとわかっていた問題であり、志木市は一番困難な時期に建設を計画して案の定失敗
市民にはなんの説明もなし
この1500万円について、市長は市民にきちんと説明するべきではないでしょうか?市のHPには一般会計補正予算(第3号) は掲載されています(本件は12ページ)がこれを見ただけでは他の業務委託料も含めた1872万4千円という数字があるだけで詳しいことは何もわからず、議会議事録を検索してやっと少し情報が出てくるだけ。「開かれた」という言葉が微塵もあてはまらない市政運営。こういう不透明な市政のあり方を変えていく必要があるのではないでしょうか?
パルシティ跡地の草刈りには310万円
失政に寛容な市議会
関連リンク
- 動画配信はじめました(志木市新複合施設の建設難航)
- どうなる?新複合施設
- 新複合施設入札失敗は市長の失政