国立新美術館で志木市役所前のモニュメント
先日まで国立新美術館で李禹煥回顧展が開かれていたのですがそれに付随して『Do it! わたしの日常が美術になる』という無料展示が行われていました。李禹煥展のついでにと覗いてみたら主に70年代の日本国内の美術家たちの活動を振り返る写真が展示されていたのですが、その中に、ん、何か既視感のあるものが…なんと多くの志木市民が見慣れているであろうあの市役所前のモニュメントの写真がありました。展示の撮影は禁止だったので写真が撮れず残念と思っていたら、展示パンフレットの中にその写真が載っていました
パンフレットの文字が重なってしまっていますが、後ろには志木市役所の旧庁舎が写っており工事中の駐車場でモニュメントの設置が完了した記念写真のようです。写真の下には「Shiki, Saitama 1972-6-12」と書かれています。現代日本の美術史の一コマとして評価される作品が自分の身近にあったとは驚きでした
関根伸夫氏作『空相』
このモニュメントは関根伸夫氏の『空相』という作品だそうです。新庁舎になって下が見えにくくなってしまいましたが、本来はステンレスの柱に周囲が映り込むことで岩が浮いているかのように見えることを意図したものだそうです。もしここに岩がないとこの場は単なる空間でありその存在が意識されませんが、20トンもの巨大な岩があることによってここが空間であったことが意識される、地下駐車場に行くと柱の根本に銘板があり、そこには『東洋の根源的思想の空を顕す相』とありました
関根伸夫氏は志木小(6年から)、志木中、川越高校、多摩美術大学を卒業するまで志木に住んでいた方だそうです
志木駅東口ペデストリアンデッキの3つのモニュメントも関根氏の作品
せっかくの文化財なのに
私は今回の国立新美術館の展示で初めて関根伸夫氏のことを知り、もう少し詳しく調べようと市や観光協会のHPを見てみましたが空相についてもペデストリアンデッキの3つのモニュメントについても紹介や説明は見受けられませんでした。せっかくの文化財なのだからもっと広く市民に紹介するようなことをしても良さそうですが、なんでしないんでしょうね?
関連リンク
- 関根伸夫氏のサイト(空相)のページ
- 関根伸夫(ウィキペディア)
- 環境美術家・関根伸夫氏の個展(ニュータイムス)
- 川越高校同窓会報71号(このページの多くの記述の参考にさせていただきました)
- 美術品買取専門店獏
- 「もの派」事始めを探る──関根伸夫、李禹煥、郭仁植