平気で弱者に迂回を強いる埼玉県政
2023年に部分開通した和光富士見バイパスの志木市内部分。歩道橋の脇に何やら案内板のようなものが設置されていました
埼玉県はいまだに車ファースト歩行者ラストで弱者無視
警察庁の基準では信号機の間隔は150m以上が原則だそうですので、この場所に押ボタン式信号機つきの横断歩道を設置することは十分可能でした。しかしそうしなかった理由について志木市議会の議事録をみると以下の2点があげられています
- ここは小学生の通学路になっているので子どもたちの安全のために歩道橋形式にした
- 信号が増えると交通の流れが悪くなりバイパスの目的が阻害される
1点目の子どもの安全のための歩道橋というのは理解できますが、これについては歩道橋と横断歩道の両方を設置し、小学生の登下校時には大人が誘導して歩道橋を使用させるようにすれば問題なかったはずです。2点目のバイパスの車の流れについては、そもそも住宅密集地にバイパスを通す以上、一定の流れの阻害がおきることは当然であり、それを避けるために平気で弱者に迂回を強いるのは、いまだに行政が何十年も前の高度成長期の車社会の車ファースト歩行者ラストで弱者無視の考え方から抜け出せていないということなのではないでしょうか。バリアフリーのバリアとは物理的なバリアだけではなく、こうした行政の旧態依然とした体質もまたバリアとなっていることをこの事例は如実に示していると思います
日々「弱者は迂回しろ」という案内板を見ながら学ぶ「共生社会」
この案内板、小学生の通学路上にあるわけですが、これを登下校のたびに目にする小学生たちはどう感じるのでしょうか?「学校ではバリアフリーって習うけど、車椅子の人が遠回りすればいいだけじゃん?」「膝が痛くて階段がつらいというお年寄りは階段がないとこを500m遠回りすればいいんだ」などと思う子が増えないといいのですが…