全国で増え始めている通年会期制議会
通年会期制と現行制度との違い
現行制度
志木市も現在は他の多くの自治体と同様に年4回(3月・6月・9月・12月)の定例会(会期は概ね25日程度)を基本としておりそれ以外は閉会中となります。なにか緊急の要件で議会を開く必要がある場合は臨時会を開くことができますがその都度開催手続きを経なければ開催できません
通年会期制のメリット
会期を通年にすると議会の閉会状態がなくなるため以下のようなメリットがあります
- 災害時などの緊急事態に議会が即応できる。臨時会議を開くための手続きが必要なくなりますので緊急時にはすぐに臨時会議を開いて対応できるようになります
- 市長の専決処分がなくなる。専決処分とは本来議会が議決すべき事項を、議会閉会中の緊急時などに市長が議会にかわって決定し後日議会に事後承認を求めることですが、議会が通年開会していればこの必要がなくなります
- 常任委員会などの委員会活動の活性化。閉会期間がなくなれば必要に応じて委員会を開いて審議することが可能になります
- 議会の主体性が高まる。法律上市議会は市長が招集しますが、通年化すると特に招集をまたずに議会が自主的に審議できるようになる
- 議会の行政に対する監視機能の強化。議会から閉会がなくなり常に行政に対する監視の目が光っているということは議会と行政との健全な緊張関係を高めていくことにつながります
通年会期制の議会活動のイメージ
- 従来の定例会のサイクルは続けながら臨機応変に臨時会議や委員会審議などを行う
- 会期通年化といっても1年中会議をするわけではないので会議のない時は地域での市民との交流などの議員活動ができる
- 兼業は可能(法律で禁じられていない)。ただしあくまでも議員としての職務が優先されるのでいつ臨時会議や委員会があっても出席できるようにすることが必要
- 議員にかかる費用は今までと同じ。現在でも閉会中も議員報酬は支給されていますので通年化を理由に議員報酬があがることはありません
通年会期制への賛否は議員の本音をあぶり出す?
実際には通年会期制にしたからと言って議員活動が激変するということはないが、本当にやる気がある議員にとっては行政に対する発言や質問の機会が増え仕事がしやすくなる制度なのではないかと思います
一方、世の地方議員の中には議員をおいしい職業と考えている人もいるらしく、従来の制度であれば定例会の会期だけ勤めればあとは200日以上が閉会中なので何もしなくてよく、しかも会期中でも実際は議案調査日(事実上の自由日)なども多く義務的な拘束日は10日程度なので年4回そこさえこなしていれば議員報酬(志木市では年600万円程度)が入ってウハウハ。こういう感覚の人からすれば臨時会議や委員会が増え閉会中という名の「休暇」が減るかもしれない通年会期制はトンデモないものだと映るかもしれません。志木市では4月に市議選がありますが各候補者に通年会期制への賛否を聞いてみると本当にやる気がある人なのかどうかがわかる試験紙になるかもしれません