多額の税金を使ったのにほとんど活用されていない流れ橋
柳瀬川と新河岸川が合流する中洲と柳瀬川右岸を結ぶ流れ橋、別項『流れ橋で税金約3537万円がたれ流し』に書いた通り約3537万円もの税金を使って建設されました(2021年4月完成)。この橋は常設ではなくイベント時専用の橋ですが、そもそもイベント自体があまりないのでいつ活用されるのか疑問でしたがコロナ禍により各種イベントが自粛されるようになったため橋の活用についてはウヤムヤになってきました。しかし昨年7月の志木市役所の新庁舎等完成記念イベント以降、市はそれまで自粛してきた各種イベントを解禁し新庁舎等完成記念イベントで久しぶりに流れ橋を設置、その後今年の3月25・26日に行われた第6回志木さくらフェスタでも流れ橋が設置されましたがこちらは雨のため2日とも通行止めになってしまいました
しかし、さくらフェスタ以外にも昨年12月4日の第15回 志木市民まつりや今年のゴールデンウィークなど活用の機会は他にもありましたが流れ橋は設置されませんでした。なぜなのか、流れ橋についてあらためて市長への手紙で質問してみました
なぜ市民まつりでは設置しなかったのか?
【質問】昨年12月に行われた市民まつりでは流れ橋は設置されませんでしたがなぜでしょうか?具体的に理由を教えて下さい
【回答】志木市民まつりは、志木市民まつり実行委員会が主催する事業で、令和4年度は会場を新たにいろは親水公園及び志木市役所で開催されたものですが、右岸は活用せず人の流れを中洲や左岸に集約する観点から、流れ橋は設置しなかったと聞いております。
税金約3537万円使って作るほどの魅力はなかったのでは?
流れ橋をかけて中洲から右岸に人が流出してしまうと困るからという回答ですが、流れ橋は一方通行ではないので橋をかけることで右岸から中洲に行く人も増える(むしろこの方が多いはず)のでまつりの妨げになるような事は考えられません。そもそも流れ橋のすぐ近くには常設の栄橋・いろは橋・富士下橋があるのですから流れ橋がなくても移動したい人たちは容易に移動できます。滅多にかからない橋がかかればまつりのちょっとした賑やかし位にはなるかと思いますが、実行委員会としては設置工事費用や誘導員の人件費を負担してまで設置するほどの魅力が流れ橋にはないと評価したというのが実情ではないでしょうか?約3537万円もかけて作ってはみたものの流れ橋は観光資源としては大して役立たなかったということだと思います
ゴールデンウィークに設置しなかった理由は?
【質問】以前質問したときにゴールデンウィークには設置すると回答されましたが、今年のゴールデンウィークには設置されませんでした。なぜでしょうか?具体的に理由を教えて下さい
【回答】本年は、ゴールデンウィーク期間中に降雨や強風により河川の増水が予想されたことから、安全を期し、所管課の判断により設置を見送りました。
雨に弱すぎてとても使いにくい観光資源
今年のゴールデンウィークは平日をはさんで9日間、確かに最終日あたりはまとまった雨との予報がでていました。なので設置しなかった事自体はやむを得ないと思いますが、このことはそもそもこの流れ橋の建設自体に大きな無理があったということの証でもあります。橋が平常時の水面に近い構造上、雨で少しでも増水すると危険なので通行止めにせざるを得ないし、さらに増水すると橋が川の漂流物をせき止めてしまうことで治水上の問題も発生する。流れ橋という名とは裏腹にボルトでしっかり橋脚に固定する構造なので設置期間中に増水しそうになったらせき止めを防ぐために臨機応変に撤去することなどは不可能なのでそもそも9日間など期間の幅がある設置自体がかなり難しい。つまり流れ橋は確実に天気が安定するとの予報が出ている時にしか設置できないとても使い勝手の悪い観光資源なのです。いろは親水公園では3〜4月は桜の季節でもっとも人出が多くなるのにさくらフェスタの2日間しか設置されず、右岸では4月には芝桜、6月には紫陽花、中洲では5月に鯉のぼりなどのみどころもあり、これらの期間中にそれぞれ1〜2週間ほど流れ橋を設置すればそれなりに役立ちそうにも思いますが、この天気の問題があるためいずれも設置できないのでしょう(設置工事費や誘導員の人件費の問題もあり)。こんなこと作る前に気づかなかったのでしょうか?
流れ橋の設置状況
2021年 | 4〜5月 | ゴールデンウィーク | 設置 |
2022年 | 7月 | 新庁舎等完成記念イベント | 設置 |
12月 | 第15回志木市民まつり | 設置せず | |
2023年 | 3〜4月 | 両岸の桜開花・さくらフェスタ | 2日間だけ設置 |
4月 | 右岸の芝桜開花 | 設置せず | |
4〜5月 | 中洲・左岸間の鯉のぼり | 設置せず | |
4〜5月 | ゴールデンウィーク | 設置せず | |
5〜6月 | 右岸の紫陽花開花 | 設置せず |
市長は責任を感じていないのか?
【質問】昨年の新庁舎落成イベント以降では今のところ志木さくらフェスタで2日間設置されただけですが、今後の設置予定はあるのでしょうか?指定管理者が決めると答えられるかもしれませんが、流れ橋は3500万円以上の税金を投入して作られたものですから、直接的な管理運営は指定管理者がやるとしても最終的な管理・運用の責任は市にあるはずですので、指定管理者まかせにせず、市として責任のある運用の予定をたててください
【回答】現時点では、今後の明確な設置日は決定していませんが、各イベント等において有効に活用してまいります。
【質問】3500万円以上の多額の税金を使いながら実際にはほとんど活用されていないということは大変な税金の無駄遣いです。市長はこの点についてどのように責任を感じているのか聞かせてください
【回答】お話しのとおり、現段階では流れ橋上部工の設置回数は新庁舎等完成記念イベント以降では2日間でありますが、引き続き有効に活用してまいります。
なんの見通しもない有効活用
市長に責任を問うているのにそれには答えようとせず、具体的見通しを何一つ示さずに「有効に活用してまいります。」を繰り返す大変不誠実な回答、市民として寂しい限りです。香川武文市長にとって約3537万円の税金ってこんなに軽いものなのでしょうか?
土台むき出しの景観と志木市景観計画
【質問】1年のうちのほとんど(このままでは今年は360日以上)が土台むき出しの景観になりますが、市長はこの景観についてどう感じますか?
【回答】流れ橋の設置は、志木市コミュニティ協議会の皆様たっての要望であった飛び石について、河川の流水阻害にならない構造について河川管理者に代替案として考案いただき、埼玉県の「川の国埼玉はつらつプロジェクト」事業を活用して整備が実現されたものです。景観については、個々の思いが異なるものかと存じますが、コミュニティ協議会の皆様からは大変喜ばれており、下部工が景観を著しく阻害しているとは考えておりません。
市長はこの景観を悪いとは感じないらしい
回答の冒頭から「…実現されたものです。」までの部分は質問に関係なくダラダラと言い訳がましい感じがしますし、市長はどう感じるかと聞いているのに「コミュニティ協議会の皆様」云々と他人を引き合いに出してくるのもどうかと思いますが、要は香川市長は「下部工が景観を著しく阻害しているとは考えておりません」ということなのでしょう
志木市景観計画
香川市長個人が別に見苦しいと感じないというのは彼がそういう感性の方だということでそれ以上どうこう言いませんが、彼が市長を務めている志木市は今年3月に志木市景観計画・改訂版を発表しています
この志木市景観計画(令和4年3月改定) の9ページには以下のような記述があります
【概要版】志木市景観計画 の3ページ右側は以下のようになっています
関連リンク
追記(2023/12/3) 2023年の流れ橋設置状況まとめ
2023年 | 3〜4月 | 両岸の桜開花・さくらフェスタ | 2日間だけ設置 |
4月 | 右岸の芝桜開花 | 設置せず | |
4〜5月 | 中洲・左岸間の鯉のぼり | 設置せず | |
4〜5月 | ゴールデンウィーク | 設置せず | |
5〜6月 | 右岸の紫陽花開花 | 設置せず | |
8月 | 九都県市合同防災訓練 | 1日設置 | |
12月 | 第16回志木市民まつり | 設置せず |