朝霞地区4市共用火葬場設置基本構想
現在、志木市・朝霞市・新座市・和光市はいずれも市内に火葬場がなく、市民は市外の火葬場を利用しているが、市外からの利用では火葬や施設利用料金が市内より高額になっている。また市外の火葬場の稼働率も高く、今後のさらなる高齢化の進行により死亡者数の増加が見込まれることなどから火葬場設置の必要性が高まっており、4市は共用の火葬場設置を合意し基本構想(素案)を発表。10月26日には市民への説明会があったので参加してきました
候補地は志木市下宗岡1丁目
候補地は志木市内、新河岸川左岸の新宮戸橋近く、現在クラブチームの野球場に貸し出されている公有地(所有者:志木地区衛生組合、志木市)。4市内でこの施設に使えそうな公有地はここだけだったそうです(私有地では土地取得が困難)。ただし新河岸川増水時の浸水の心配があるため、2mの盛土と建物の1mの嵩上げをするそうです
費用は約108億円?
建設費用は概算で約108億円だそうですが、まだ変動の余地があるものと思われます。また費用は4市で折半なのか、用地を提供する志木市はその分安くなるのかなどは基本構想(素案)には書かれていませんでした
事業形態は未定
事業形態もまだ未定のようですが、基本構想(素案)にはPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)を想定するような記述がみられます。PFIとは資金調達を含む事業全般(設計・建設・管理運営)をまとめて1つの企業グループに委託する形式、つまり丸投げです。民間活力活用の名のもとに政府が推奨していることもあって全国的に普及している方式のようですがいくつか懸念点もあります
- 志木市のいろは親水公園リニューアル事業もPFIですが、この事業では中洲のカフェの売上確保のために左岸にあった水飲み場を撤去(批判されて2年後に復活)、中洲には依然として水飲み場を設置しないなどのいきすぎた営利主義が見られます。火葬場・葬祭場という重要な施設に同様の営利主義が入りこむことがないか心配です
- 一方、建設業界ではいわゆる2024年問題で人手不足が加速し、志木市では市民会館と市民体育館の新複合施設建設の入札が失敗に終わったという問題もあります。行政の側が民間活力に甘えて事業を丸投げできる環境が今後は厳しくなりつつあり、PFIを募集しても不調に終わる可能性もあります。それを避けようと予算値上げなどを行い、利用者である市民にそれが跳ね返ってくることも心配です
完成予定は2032(令和14)年度
本計画はとりあえず候補地の目処がたったというところで、利用開始目標は2032年度とかなり先のようです。市民にとって使いやすい火葬場になるように推移を見守っていく必要があると思います