鈴木正人県議は「埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例」に反対

埼玉県議会でLGBT条例可決

埼玉県議会は7月7日に「埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例」を賛成多数で可決しました。しかし、採決にあたりこの条例を提案した最大会派の自民党(49名)から9名の欠席者が出るなど自民党内での混乱が見られました、また第2会派の無所属県民会議(13名)他1名が反対したようです。条例の主な内容は以下のとおり

  • 性的指向・性自認を理由とする不当な差別的取り扱いの禁止
  • 性的指向・性自認表明の強制・禁止の禁止
  • 性的指向・性自認について正当な理由なく本人の意に反した暴露の禁止
  • 県は性の多様性を尊重した社会づくりの施策を実施する
  • 県民は性の多様性に関する理解を深め県の施策に協力するよう努める
  • 事業者は性の多様性に配慮した取り組みを行うよう努める

<関連リンク>

鈴木正人県議はLGBT条例に反対

志木市選出の鈴木正人議員は無所属県民会議に所属しこの条例に反対したそうです。「SNSで知り合ったフレンドの当事者は皆この案に反対」とのことですが、そもそもSNSのフレンドって自分と同じような考えの人が集まりやすいものですし、そのフレンドが何人なのかも疑問ですが、限られた自分のお友達の意見があたかも多数のLGBTQ当事者の意思であるかのように言っているあたり、県民の代表としては随分視野の狭い井の中の蛙感あふれる発言だと思います。下の関連リンクを見ればわかりますが性的多様性の理解促進を求める条例は各地で増えていっていますし、県内でも深谷市がすでに制定しており、LGBTQ当事者の多数がこういう条例に反対しているかのような事実はまったくないといっていいと思います

鈴木さんは真正保守というのを標榜しているので、本音は多様性とか認めたくないけどそう言ってしまって来年の県議選で票が減ると困るので、自分はLGBTの理解者で当事者のお友達もいるけど、今回の条例は拙速なので反対というポーズをとっておこうというところでしょうか?なんか中途半端でセコい感じがします。「お友達」を引き合いにだして云々するのではなく、鈴木さん自身は政治家として県民の代表として、性的多様性を認めるべきなのか認めるべきでないのか、どちらの立場なのかはっきりさせていただきたいものです

<関連リンク>

多様性の尊重は幸福追求権の1つ

こういう条例への反対意見の論点に「不当な差別的取り扱いを禁止」という部分によって女子トイレや女湯の区別が乱されては困るというものがあり、「男が女子トイレに入れるようになったら嫌でしょう?」などと嫌悪感を煽って反対しようとする意見も聞かれますが、性犯罪目的にこの条項を悪用する場合は現在の法律でも十分取り締まれますし、そうではない悪意のない純粋に自分の性自認と社会的な区別を一致させたい(性自認が女性だから女性用を使用したい等)という場合はケースバイケースで社会的合意やルールを作ってゆく必要があると思います

日本国憲法第13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

性的指向や性自認の多様性を認め合おうというのは憲法が保障する幸福追求権にかかわる問題で、民主主義国家を標榜する以上はこれを否定することはできないはずです。また「公共の福祉に反しない限り」というのは国家の価値観や全体の価値といったものが優先されるということではなく、一人一人の幸福追求権が最大に尊重されるように調整を図るということであり、そのために知恵を出すのが立法=議会の仕事であると思います

またトイレや浴場ももちろん重要ですが、多様性の尊重を求める人たちがもっとも望んでいることは「自分らしさを社会的に認めてほしい」「自分が自分である権利の尊重」ということであろうと思われ、条例等の賛否を巡ってはこの論点こそがもっとも重要だと思います

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>今井あさと

今井あさと

埼玉県志木市在住。敷島神社の近くに住んでます。27年間ほど都内の私立高校で非常勤講師をした後にフリーランスのプログラマ。非正規一筋の人生です(笑

非常勤講師で教えていたのは公民科(政治経済・現代社会・倫理など)。今でも政治や社会に強い関心があり、志木市の政治についても詳しく見てみようと思いこのようなブログを立ち上げました

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