鈴木潔志木市議会議員の発言がひどすぎる

鈴木潔議員のとんでもない暴言

令和7年3月の志木市議会で自民党の鈴木潔議員がとんでもない発言をしています。以下にその部分の抜粋、末尾に発言の全体の動画(字幕付き)を掲載します

反対する市民はけしからんわからず屋?

以下はこの記事の末尾に掲載の動画の0:23あたりからの抜粋です

説明責任を果たしていないのは教育委員会

鈴木議員の発言でまず驚かされたのは「教育委員会が何回も何回もですね、どんなに丁寧に説明しても」という部分です。志木2中学校区の合併問題をめぐるこの間の経緯を見ればこれはまったく事実ではありません。例えばこのブログでも以下のような問題を指摘してきました

また、この合併と義務教育学校化についての以下のような基本的な論点についても教育委員会は未だにまともに答えたことがありません

  • 市内の他の3学校区は現状の小学校と中学校は別々のままで小中一貫教育を進めるのに、なぜ志木2中学校区だけ合併して9年制の義務教育学校にするのか?
  • 義務教育学校にしなければできないことは何なのか?
  • 9年間を4−3−2制に区切ると言っていたのに校舎は1-5年と6-9年の5-4に分割。単に数合わせで詰め込んでいるだけでは?
  • 小学校同士を合併すると1学級あたりの実児童数(定員ではない)が増え教育環境が悪化する
  • 志木2中学校区だけ、小学校の卒業式や卒業アルバムがなくなり中学校の入学式がなくなることへの不安・反対に対して、他の有効な儀式を行うとくり返すばかりでその詳細はいつまでたっても検討中
  • 志木4小の校舎の使い道が不明(これもいつまでたっても検討中)

お上に歯向かう市民は不届き千万とでも言いたげ?

このように、教育委員会がまともな説明をしない(できない)せいで、多数の市民が不安を感じ反対の声をあげているにもかかわらず、鈴木議員は反対する市民が「一向に理解を示そうともせず」とか「一方的に反対だけを繰り返しておる」などと述べ、市民を頑迷なわからず屋とでも言わんばかり、その根底には市民はお上の言うことに黙って従っていればいいんだと言う権力者の傲慢さが垣間見える気がします

市民が教育に関心を持つのはあたりまえのことであり、ましてや今回のような大規模な改変が行われようとした時に、その詳細についてきちんとした説明を求め、納得できなければ反対するのは市民の当然の権利です。鈴木潔さんって民主主義を知らないんでしょうか?

論点がズレてる思い出話

動画の1:33あたりから志木小学校と公民館の複合化云々の思い出話が続きます。しかし志木小学校は中学校と合併して9年制になったわけではありませんし、卒業式や卒業アルバムがなくなったわけでもありませんので、本件とは全然異なる話。単なる小学校つながりで「成功例?」を持ち出してこじつけようとしています

問題の本質は志木2中学校区のみ合併・義務教育学校化することなのに

以下は動画の3:10あたりからの抜粋です

論理のすり替え

鈴木議員はこの部分で「旧態依然とした枠組み」を脱して「今の時代にあった教育環境」を作るべきと言っています。部分的に切り出せばお説ごもっともに聞こえますが、これはちょっとおかしいです。そもそも今回教育委員会がやろうとしている学校制度の改変は以下のような枠組みです

  • 市内の4つの中学校区のうち3つは従来通り小学校と中学校が別々のままで両者が連携を密にして小中一貫教育を行う
  • 志木2中学校区のみ志木2小・志木4小・志木2中の3校を合併して9年制の義務教育学校にして小中一貫教育を行う

志木2中学校区の合併・義務教育学校化に反対している市民は小中一貫教育自体に反対しているのではなく、合併・義務教育学校化に反対しているのであり、他の3つの中学校区と同じ形での小中一貫教育を求めているのです。それが「旧態依然とした枠組み」に固執し「今の時代にあった教育環境」にそぐわないというのであれば、他の3つの中学校区もそうだということになります。この問題の本質は小中一貫教育の是非ではなく、志木2中学校区だけ合併・義務教育学校化することなのに、それへの反対があたかも「旧態依然」としたシステムにしがみついているかのように論理をすり替えながら「子どもたちのため」という情緒論のオブラートで包んで押し通そうとしています

マンモス校が「今の時代にあった教育環境」ですか?

もう1つ忘れてはならないのは、志木2中学校区の3校を合併すると全校生徒が1300人を超えるマンモス校になるという点です。学校にとっていじめや不登校への対策は極めて重要であると同時に非常に難しい課題でもあり単純な特効薬などはあり得ませんが、きめ細かい、一人ひとりの児童生徒に目が行き届く学校づくりがその基礎となることは論を待たないと思います。マンモス校はそれに逆行するものに他なりません。またこのブログでも再三指摘してきましたが小学校同士で合併すると1学級あたりの実児童数(定員ではない)が増加することも忘れてはなりません。今日でも人口密集地では用地確保の難しさなどからマンモス校が作られる例はあるものの、本件はまったく異なります。すでに立派な校舎が3つあり、ゆとりある教育環境が存在しているのに、わざわざそれを捨てて2校舎に詰め込もうとする愚。かつて多数あったマンモス校にあえて回帰し「旧態依然とした枠組み」を復活させようとしているのは教育委員会の方に他なりません。鈴木議員はマンモス校を「今の時代にあった教育環境」だというのでしょうか?

これが市議会議長経験者の発言か?

以下は動画の4:45あたりからの抜粋です

一般会計反対で市民生活はストップ?

鈴木議員は一般会計予算が否決されると市民生活がストップするがそれだけの覚悟をもって反対しているのか?と反対派議員を脅していますが、これもちょっとおかしいです。そもそも一般会計予算が否決されたら即市役所機能停止で市民生活がパニックなどということはありません。否決された場合、一般的には市民生活に必要な部分の暫定予算を議会の合意かそれが無理なら市長の専決により作成・執行することで市役所の機能を維持、その一方で議会の賛成派・反対派と市長の間で協議等も行い、臨時議会等で修正された予算案を審議して成立させる形になりますので、一般会計予算が否決されたからといって、市役所が閉鎖になる・市の公務員の給料が止まる・学校給食が止まる・ゴミ収集車が来なくなる・公民館等が閉鎖になる・外灯がすべて消えるなどということはありません。実際、以下のように予算が否決された例がありますが、それらの市でパニックになったというようなことはありませんでした。鈴木さんは志木市議会の議長も務めたベテラン議員ですが、こんなことも知らずに議長をやっていたのでしょうか?

どうせ可決するからと振る舞っているのは誰?

鈴木議員は反対派議員を「自分が反対しても予算は可決すると見込んでの反対」などと非難していますが、これもとんでもない言いがかりでしょう。上にも述べた通り本件では教育委員会がまともに説明責任を果たさずに合併・義務教育学校化を強行しようとしているわけですが、パブコメの75%に白紙回答などという傲慢な振る舞いができるのは市長が教育委員会を支持しており、議会では与党(しきの会=自民党・公明党)が安定多数で教育委員会の方針が否決されることはないと高をくくっているからではないでしょうか

一般会計予算反対は市民への背任行為?

また鈴木議員は一般会計予算への反対は市民への背任行為だとか、反対するなら今後は市に予算要望はするななどとも言っています。これはあまりにもひどい暴論で、多数決はやるが反対してはいけないなどというのであれば、それはもう大政翼賛会とか現在の北朝鮮とかわりありません

なお上にあげた予算否決の例の東久留米市と大和市では自民党も否決に加わっていますが、自民党公認の鈴木議員はこれらの否決した自民党議員の行動も市民生活をストップさせた市民への背任行為と非難するのでしょうか?

議会は議論するところ

議会とはその文字から一目瞭然、議論するところです。市長は予算案が否決されないように反対しそうな議員の声にも十分に耳をかたむけながら慎重に予算案を作成する。一方予算案はその内容が多岐にわたり、100点満点のものもなければ0点のものもなく、議員にとっては賛成できる部分とできない部分があり、両者を天秤にかけながら熟慮の末、時には断腸の思いで賛否を選択する。そういう緊張関係の上で議論をつくすことで真に市民生活に役立つ無駄のない予算が作られていくはずです。これが議会制民主主義であり、反対自体を許さないなどというのは言語道断です。「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」という言葉は民主主義の真髄を表したものとして有名ですが、鈴木潔議員はこれをご存じないのでしょうか?

志木市議会令和7年3月定例会・閉会・鈴木潔議員の賛成討論全体(字幕付き)

最後に

今回の鈴木さんのひどい発言はかなりの焦りがあってのものではないかという印象を受けました。現在の志木2中学校区の合併・義務教育学校化はその内容・進め方ともにひどすぎますし、かなりの時間をかけた末に出てきた志木第二中学校区義務教育学校施設整備の概要も概要とすら言えないずさんな内容であり、このままでは反対の世論がもっと高まるのではないか、教育委員会の迷走をかばうのも苦しくなってきたという危機感の裏返しで反対する市民や議員にあたりちらしているように見えます

志木市議会議員当選10回・議長経験ありのベテラン議員が、市民を敵視し、議会制民主主義を踏みにじり、晩節を汚すかの発言をしている姿は志木市民として残念な限りです

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>今井あさと

今井あさと

埼玉県志木市在住。敷島神社の近くに住んでます。27年間ほど都内の私立高校で非常勤講師をした後にフリーランスのプログラマ。非正規一筋の人生です(笑

非常勤講師で教えていたのは公民科(政治経済・現代社会・倫理など)。今でも政治や社会に強い関心があり、志木市の政治についても詳しく見てみようと思いこのようなブログを立ち上げました。志木市政へのご意見番を目指します(笑

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