いろは親水公園の工事説明会への回答書を読む

いろは親水公園の工事説明会への回答書

9月25日に行われたいろは親水公園の工事説明会の回答書が10月14日に発表されました。以下のような文書が公開されており市役所のサイトから見ることができます

施設平面図やイメージパース図をみると、今回のいろは親水公園リニューアルとはどのようなことなのかがわかりやすいですが、こういうものはもっと早くから広く市民に公開して意見を求めるべきだと思います。回答書を読むと施設平面図はまだ完成ではないようですが、市民にとっての大切な公園なのですから、無理に着工を急ぐ必要はなく、図面をきちんと提示して広く市民の意見を聞いてから着工するべきです。また、イメージパース図については少なくとも説明会の時点では存在していたわけですが、なぜもっと早くから公開しなかったのでしょうか?市民に出すべき資料を出すのがこのように遅いことには強い不満を感じます。また、説明会では2回目を求める声が多数出ていたのに応えようとしなかった姿勢には強い不信を感じています。市民の声を聞くことに消極的な市政は悲しいです

伐採される樹木が9本減った

(別添2)樹木整理一覧によれば中洲の樹木伐採の内訳は以下のようになったようです

説明会では撤去予定は137本と説明され、この数字は議会議事録にも見られますので一度は確定したものだったようですが、市民の強い声によって9本減らされ128本になったようです。説明会での市側の対応には虚しいものも感じましたが、やはり市民があきらめずにきちんと声を上げてゆくことは決して無駄ではないことが証明されたと思います

市長の議会答弁はやはりおかしい

いろは親水公園の工事説明会に行ってきましたのページで議会だよりしきNO.193号の7ページでの市長の議会答弁がおかしいと書きましたが、市議会の会議録検索システムでその議会答弁が公開されましたので以下に引用します。志木市令和3年6月定例会、7月20日の議事録です

香川武文市長

伐採する樹木を最小限にとどめるとともに、今ある自然を守るための手段として、計画に明示されている消滅する自然に代えて新しい自然環境を創設・確保するという自然保全の考え方により、新たな樹木を植栽することで、中洲における樹木の本数を約2倍に増やすとともに、低木や芝生化により、緑被面積も15倍以上に増やしてまいります。

8割は最小限とはいわない

市長ははっきりと「最小限」と言っていますが、上の樹木整理一覧をみれば159本中128本を伐採するとあり、この比率は約80.5%です(市長の発言時は計画変更前の137本なので約86.2%)。日本語の表現として8割を表すのに「最小限」という言葉は適切か?と聞かれれば答えは聞くまでもないでしょう。市長は自分の政策に自信があるなら、政治家として市民の代表として正々堂々と「今回の計画では一度中洲の樹木の8割を伐採する必要があります。その後新規に植え直して低木等も含めて今までの倍以上になる375本にするのでぜひご理解いただきたい」とはっきりと言いその理由を市民に説明すればいいのです。なぜそう言わずに伐採は「最小限にとどめる」などと言い、その部分を広報させるのでしょうか?反対の声がおきそうな都合の悪いことは押し隠し、耳ざわりのよさそうなことだけ言って市民を誘導しようとする香川さんの姿勢には強い不信感を禁じえません

緑被面積15倍以上

市長の「緑被面積も15倍以上」という発言について、質問及び回答の番号5で以下のような説明がされています

緑被面積については、現状ある低木のうち約80 m²を撤去しますが、新たにその15倍以上の 1471m²分の多種多様な低木等を整備してま いります。

これは撤去する面積が80m2で新規に植えるのが1471m2だから15倍以上だということですが、市長の答弁は「中洲における樹木の本数を約2倍に増やすとともに、低木や芝生化により、緑被面積も15倍以上に増やしてまいります」と中洲全体の緑被面積のことを言っているのは明らかであり撤去面積云々などという話ではありません。そもそも80が1471になれば約18.4倍ですから15という数字がどこから出てくるのか意味不明です。「以上」と言っているのだから15だろうが18だろうがどっちでもいいだろうとでも言うのでしょうか?だとすると今後は市長の議会発言に出てくる数字は一切信用できないことになります。議会発言で数字をあげる場合、厳密な計算ができない場合はできるだけ近似する数値をあげるべきであり「以上」とか「以下」をつければどんな数字をあげても構わないなどというのは言語道断です。なお、この15倍という数字については同議会の7月27日の岩下隆議員の発言でも「新たな低木の植樹などをはじめ、緑地面積を全体で約15倍にすることも示されました」と議会議事録に明記されていますので、市長の発言が回答書の詭弁とは異なり中洲全体の緑被面積を約15倍にすると言っていることは明らかです。すでに中洲の緑被面積は23%だそうなので15倍にすると上限の100%を超えてしまい物理的に不可能なので担当の方も困って苦しい言い逃れを考えたのでしょうか?そんなことをせずに市長が素直に次の議会で正式に答弁を訂正すればいいのではないでしょうか?議会での発言というのは大変重いものですからもちろん間違えるのはよくありませんが、おかしな答弁が訂正されず記録に残り続けることのほうがよほど恥ずかしいことだと思います

「にぎわい」について

市はいろは親水公園リニューアルにあたりにぎわいの創出ということをくり返し強調しています。私も基本的には街がにぎわうことは良いことだと思いますが、しかし一口ににぎわいといってもいろいろあると思います

文化的にぎわい

いろは親水公園の村山快哉堂や和舟の舟運、田子山富士塚の登山などは大変すばらしいことで、こういう文化的にぎわいはどんどん盛り上げてゆくべきだと思います

個人的には最近市の埋蔵文化財保管センターを見学して志木には縄文時代の出土品も多いと聞き、子どもの頃にちょっといだいた考古学への憧れが蘇ってきたりしていて何かそういうイベントなどあったら楽しそうだなと思ったりしています。また市内の2つの富士塚にみられる胎内信仰なども面白いと思っています

公園としてのにぎわいと静けさ

いろは親水公園は近所なのでしょっちゅう散歩していますが休日はたくさんの子どもたちが遊具を楽しむ姿などが見られます。一時は一部遊具が有料化するのではという話も聞き、あってはならないと心配していましたが立ち消えになったようで安心しました。新設するウォーターパークは費用や安全面など20年間きちんと維持管理できるのか心配しています。一方で平日はかなり閑散としており、その静かな川辺の散歩や静かに川を眺められることもこの公園の魅力の一つであり、必ずしも無理ににぎわいを造ることばかりが公園の目的とは限らないと思います

商業的にぎわいの危険性

今回のいろは親水公園リニューアルの中心となっているのが中洲の改造であり、カフェ・ベーカリーが常設されることになりました。私はあの場所でカフェ・ベーカリーが採算とれるのか強く疑問に思っており、実際事前に応募に意欲をみせた10社中1社しか応募がなかったことでもそれは裏付けられていると思いますが、市や受託企業は採算に自信があるようです。しかし仮にここでのカフェ・ベーカリーが成功するとすると1つ気になることがあります。カフェ・ベーカリーということはカフェ事業とともにパンの小売事業もするわけですが、これが成功すると今まで市内で地道に商売してきたパン屋さんの経営を圧迫することになりはしないかという心配です。現在の日本は市場経済ですから民間企業間の自由競争であればそれはやむを得ないと思います。しかし、本件の場合は一方を市が全面バックアップすることになる点で純粋な自由競争とは言えません。リニューアル後、市は様々な場面で継続的に市のWebサイトや広報その他の紙媒体、観光協会などを通じていろは親水公園を宣伝し続けることになるはず(しなければそれはそれでまたおかしい)であり、いろは親水公園のカフェ・ベーカリーはくり返し無料で宣伝し続けてもらえることになります。市の中心的公園ということでタウン誌等も取り上げてくれることでしょう。同じだけの広告宣伝を民間のお店が自力でやろうとすれば大変な費用になるわけでとても公平な競争にはなりません。「カフェ・ベーカリーの小売事業が成功して日々購入者が訪れてにぎわいが生まれた!」となる影で市内の他のお店の経営が圧迫されるとしたら本末転倒です。市はそこまで考えた上でカフェ・ベーカリーを認めたのでしょうか?カフェ事業については「川を眺めながらお茶を」といった属地的な需要がありますが、ベーカリー事業についてはいろは親水公園でやらなければならない必然性が一切ありません

今後市は広報その他でいろは親水公園のカフェ・ベーカリーを取り上げる場合は市内のパン屋さんも同様かそれ以上に丁寧に紹介するような配慮をすることを求めたいと思います

また村山快哉堂の裏手にはキッチンカーも入れる(雑木林を潰して芝生広場にする理由の一つ)そうですが、その場合も市内のお店への配慮を行ってほしいと思います。コロナ禍により今までやっていなかったテイクアウトをはじめたお店も増えていると聞いています。そういう市内のお店のテイクアウト商品を並べて販売するなど市内のお店の応援になるような商業的にぎわいを模索していただきたい。官が民業を圧迫するのではなく、市内の民業をもり立てるような商業的にぎわいの創出こそが市役所に求められているのだと思います

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>今井あさと

今井あさと

埼玉県志木市在住。敷島神社の近くに住んでます。27年間ほど都内の私立高校で非常勤講師をした後にフリーランスのプログラマを経て現在はほぼ休業中。非正規一筋の人生です(笑

非常勤講師で教えていたのは公民科(政治経済・現代社会・倫理など)。今でも政治や社会に強い関心があり、志木市の政治についても詳しく見てみようと思いこのようなブログを立ち上げました

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