朝霞児童相談所
児童相談所は児童福祉法に基づいて設置され、児童福祉の重要な拠点となります。志木市は以前、所沢児童相談所の管轄でしたが、現在は2025年(令和7年)4月に新設された朝霞児童相談所の管轄となっています
朝霞児童相談所の概要
- 管轄:朝霞市、志木市、和光市、新座市、富士見市、ふじみ野市、三芳町
- 管轄の人口:総人口約73.9万人、児童約10.9万人(R7/4/1現在)
- 一時保護所付設(定員30人)
- 職員定数:常勤職員98名、会計年度任用職員18名
- 住所:朝霞市青葉台1丁目

埼玉県の児童相談所の課題
埼玉県の児童虐待相談対応件数は全国平均より多い
令和5年度の調査で児童相談所の児童虐待相談対応件数は、全国平均が児童1000人あたり約12.2件であったのに対し、埼玉県は約16.2件でした(令和7年度埼玉県包括外部監査結果報告書)。このことは埼玉県の児童福祉行政の非常に大きな課題であるといえます
管轄人口
児童福祉法施行令第1条の3第2項では児童相談所の管轄人口は「基本としておおむね50万人以下」となっているが、国は20〜100万人をその目安としています。埼玉県では以前は所沢と川越の児童相談所が100万人を超えていたものが朝霞児童相談所の新設によりすべて100万人以下となった点は前進ですが、現在でも埼玉県設置の8児童相談所はいずれも50万人を超えており、朝霞児童相談所も新設時点ですでに約73.9万人となっています。
上記の児童虐待相談対応件数が全国平均より多いことなどをみれば、県はさらに児童相談所を増やし、すべての児童相談所で管轄人口が50万人以下になるように努力する必要があると思います
職員確保の難しさ
一方、現在全国的にも児童相談所の職員確保が大きな課題になっているようです。朝霞児童相談所においても2025年4月の時点で職員数は常勤定数98名が実数85名、会計年度任用定数18名が実数5名、合計で欠員26名(欠員率約22%)となり、7ヵ月後の2025年11月の時点でも一時保護所がフル稼働できていなかったそうです(令和7年度埼玉県包括外部監査結果報告書)
児童相談所の業務は児童へのきめ細かい対応はもちろん、保護者対応、夜間休日対応、警察や裁判所対応、大量の書類など職員の負担が非常に大きく離職者も多いそうです
県は児童相談所という箱を作るだけではなく、そこで働く職員の待遇改善やより働きやすい環境づくりなどの配慮を一層進めていく必要があるでしょう
一時保護所
埼玉県議会の視察報告によると、朝霞児童相談所では2025年10月17日現在で一時保護所に27名が入所していたそうです(定員30名なので90%)。一時保護なので数は変動しますが、開所半年でのこの数字をみると児童相談所の一時保護所機能の拡充も重要な課題であると思います
朝霞児童相談所の一時保護所の自己評価
埼玉県のHPで朝霞児童相談所の一時保護所の令和7年度の自己評価結果が公表されていました。詳細なとりまとめ方法等は不明ですが実際に現場で働く職員の方々の声の一端をみることができるかと思います
- 朝霞児童相談所一時保護所の自己評価結果(令和7年度)
特に優れている項目
ほとんどの項目が「適切・標準的」を意味する「a」となっていますが、「他施設の模範となる優れた取り組み」を意味する「s」が以下の4項目です
- 30 一時保護施設全体がチームとして運営できている
- 36 緊急保護を適切に行っている
- 46 未就学児に対して適切な保育を行っている
- 65 一時保護中のこどもの私物を適切に取り扱っている
30と36をみるとチームワークで緊急保護等に奮闘していることがうかがえます
改善の余地ありの項目
「標準水準(a)に達しておらず改善努力が必要」を意味する「b」は以下の9項目
- 16 生活上のルールを正当な理由に基づく必要最小限のものにしている
- 19 被措置児童等虐待の防止と発生時の対応
- 22 性的指向やジェンダーアイデンティティへの配慮
- 26 必要かつ適切な職員体制の確保
- 27 適切な夜間職員体制の確保
- 34 医療機関との適切な連携
- 44 こどもへの適切な教育・学習支援
- 54 こどもの性的問題への適切な対応
- 57 障害児受入れ時の適切な対応・体制確保
26・27・57で体制確保が課題として指摘されています。やはり管轄人口の多さの一方で職員が確保しきれていないことが大きな課題なのではないでしょうか
最低評価はなし
4段階評価の最低であり「不適切」を意味する「c」はなし。特別なことがない限り行政の自己評価でこれがつくことはないでしょう