いろは親水公園リニューアル検証-その2

昨年9月に行われたいろは親水公園リニューアル事業の工事説明会において、市はこのリニューアルで一番大切にしていることは「自然との共生」であると強調していました。これに対し中洲の雑木林をつぶすことのどこが自然との共生なのかと疑問を呈する声が多数あがりましたが、市はまともに答えようとせずに説明会を切り上げてしまいました。リニューアルが完了した今、市の言う「自然との共生」はどうなったのか検証したいと思います

志木市の「自然との共生」はプラスチックで

中洲のリニューアルの大きな目玉がこのカウンターデッキでした。私は説明会でイメージ図を見せられて「自然との共生」をうたったリニューアルなのだからてっきりこれはウッドデッキ、子供が素足で歩いたりカウンターや椅子に触れたときに木のぬくもりが感じられるようなものになるのだとばかり思っていました。しかしできあがったものはプラスチック製で色が茶色いだけでぬくもりなど微塵もない自然の「し」の字も感じられないものでした。ここからの川の眺望が自然なのだと言うかもしれませんがもともと外周部から同じ景色を見ることができていたわけですから眺望についてはこのリニューアルとは関係ありません

唯一のいいところは椅子に座って川を眺められるようになったというところでこの部分は私も評価しますが、このデッキの先端部分の椅子は高さが80cmほどあり、幼児や足の弱い高齢者など座ることが困難な方も多い作りです。そういう方たちのために後ろに長いベンチを用意したというのかもしれませんが、「いろは親水公園リニューアル検証-その1」でも書いたようにここでも弱者は後ろに回れと言っているように感じます。誰もが座りやすい低いベンチこそ一番眺めの良い前側に作るべきで高さのある方を後ろにすればより多くの市民が眺望を楽しめるのではないかと思います。このデザインも若者向けの「オシャレ」さのみを優先しているように感じます

芝生の養生はいつまで続く?

中洲の中央は「自然のぬくもりが感じられ、多様なニーズに応える空間」(説明会資料)である芝生広場になるようですがリニューアル後1ヶ月以上経っても養生中のままですでに一部が枯れはじめています。この場所は平成5年度にも一度芝生化したものの土壌と合わずに枯れてしまった歴史があるようで市ももちろんそれを知っているはずですが今回再度芝生化を試みたもののなかなか根付かずに苦心しているようです
新河岸川左岸に敷いた芝生は根付かずにすでに大量に枯れ始めていて早晩ウッドチップかなにかに入れ替わりそうですが、中洲の方はなんとしても芝生広場にしたいのでしょう。市長もこのリニューアルで中洲の緑被率を15倍にすると議会で言ってしまっていますし、中洲は多目的広場にしてイベントで収益を上げる目論見らしいので芝生が根付かないといろいろ困るのでしょう。しかしもしかしたら「自然との共生」をうたいながらその実都合よく「自然を改造」しようとしたら「自然から拒絶」されたという人間の愚かさの縮図みたいなことになってしまっているのかもしれません。一度失敗した芝生化にプロの業者が再度挑むなら今度はぜひ成功させてほしい(私は一応技術者の端くれなので技術者の努力自体は応援したい)ものですが、そういう風に無理くりに作った「自然」にふれることが「自然との共生」なのかはなはだ疑問です

左岸の遊具も「自然との共生」とは無縁

新河岸川左岸にはウォータパークが作られ連日大盛況で対岸にまで子どもたちの歓声が聞こえてきます。水が出る2ヶ月間限定とはいえ賑わうこと自体は結構ですが、このパークは「自然との共生」とは無縁です。水遊びにはそれっぽい雰囲気はあるものの新河岸川の水を使っているわけでもなく水道水を使っているわけですから、まさか水道水を浴びることが自然との共生だと言うなら自宅でシャワーを浴びても自然との共生ということになります。この場所は以前はアスレチック風の公園で遊具のほとんども木製でしたので「自然との共生」という観点からは後退したと思います
こちらも新しく作られた遊具ですが材質は金属、地面は人工マットで自然物はなく「自然との共生」という感じはありません

まとめ

こうして見てくると今回のいろは親水公園のリニューアルにおいて「自然との共生」が進んだと言える部分は少しも見当たりません。中洲の雑木林が潰されてプラスチックのデッキが作られ芝生化は難航、新河岸川左岸の公園が水道水とプラスチックと金属とマットで新調されたというのが今回のリニューアルです。これのどこが「自然との共生」だったのか市長にはぜひ説明していただきたいものです

自然とは無関係に単に「公園が新しくなった」というだけなのではないでしょうか?

<2022/9/24 追記>

中洲のカウンターデッキの素材のプラスチックは人工木などと呼ばれているそうですが、あくまでもプラスチックであり「自然のぬくもり」などは一切ありません。しかしなまじ自然物に見せかけた作りになっているためこれに触れた子どもたちが自然の木とはこういう感触のものなのだと勘違いしてしまうのではないかと心配です。志木市のランドマークとして自然との共生を掲げた公園なのですからやはりあのカウンターデッキはまがいものではなく本物の自然木で作ってほしかったと思います

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>今井あさと

今井あさと

埼玉県志木市在住。敷島神社の近くに住んでます。27年間ほど都内の私立高校で非常勤講師をした後にフリーランスのプログラマを経て現在はほぼ休業中。非正規一筋の人生です(笑

非常勤講師で教えていたのは公民科(政治経済・現代社会・倫理など)。今でも政治や社会に強い関心があり、志木市の政治についても詳しく見てみようと思いこのようなブログを立ち上げました

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