和光富士見バイパスについて考える

外環道和光北ICから国道463号の富士見川越バイパス入り口につながる国道254号和光富士見バイパスについて

国道254号和光富士見バイパス建設での土地収用法適用中止?

広報『しき』10月号にこんな告知が載っていました。「土地収用法に基づく事業認定に係る申請の取り下げについて」とあります。土地収用法とは公共事業等のために土地を取得したいが地権者が売却に応じない場合、各種手続きを経て、最終的には強制的に補償金と引き換えに土地を取り上げてしまうというもので、和光富士見バイパス建設にあたっても県がこの適用を準備していましたが、これを取り下げるということで、地権者の方々との間で円満な解決がはかられたのなら素晴らしいと思い、行政のやる説明会にしては珍しく平日以外の開催もあったので行ってきました。しかし…

土地収用法適用取り下げではなく再申請だった

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取り下げと再申請

上記は説明会の開催結果からの抜粋ですが、要は土地収用法適用のための申請を行って手続きを進めようとしたが申請範囲が間違っていた(詳細は説明会場で配布された資料参照)ので一度申請を取り下げてやり直す、そのための手続きの一部として今回の説明会も行われたということでした

なぜ今収用手続きを?

上の2点は私も説明会で質問したのでわざわざ足を運んで発言したことも無駄ではなかったと思いますが、県は大変恐ろしいことを考えていることが明らかになりました。今、収用手続きを行うのは「早期の供用」のため、用地はすでに96%まで買収できているのだから残り4%はさっさと力で押し切ってしまおうと言っているわけです。売却に応じない地権者とは「引き続き交渉」を行うとは言っていますが、その裏では土地収用法の手続きを進めているわけですから、交渉に応じなければ最後は行政代執行(強制代執行)により強制的に土地を取り上げるぞと相手に脅しをかけている、後ろ手に棍棒をちらつかせながら笑顔で「お願いしますよ」と言っているようなものでとても恐ろしいことだと思います。しかもこの棍棒は脅しにとどまらず最後の最後は実際に振り下ろされる可能性のあるものでもあります

このバイパスは必要なのか?

50年以上前にはじまった計画

このバイパスの建設計画は今から51年も前の昭和46年(1971年)、まだ日本が高度経済成長中でオイルショック(1973年)よりも前にはじまったものです。現在では経済状況も大きく様変わりしているのにこのバイパスは本当に今でも必要なのでしょうか?単にここまで進めてきたのだから今更やめられないというだけの惰性で進められている事業なのではないかと思えます。このバイパスを50年以上かけても完成させられなかったのは沿道の住民がさほどこのバイパスを必要だと考えなかったからではないでしょうか?

とってつけたような災害対策

上記は県が発行している和光富士見バイパス紹介のパンフレットの一部で、このバイパスは道幅が広く沿道の建物や電柱が倒れても塞がれにくいので災害時に役立つと言っていますが、沿道の建物や電柱が倒れるほどの地震なら地割れや陥没も起きそうなものですが、このバイパスだけはそれらで寸断されることはないのでしょうか?災害時に必要な食料や医薬品などの物資の輸送にしてもどこかの大型倉庫に備蓄して地震が起きてから各地に運ぶというのではなく、最初から各地の公共施設などに分散備蓄しておいた方がはるかに有効なのではないかと思います

志木市への影響

プラスの経済効果は特にない

一部にはバイパスができると志木市にも良い経済効果があるなどと言うむきもあるようです。説明会では県の専門の職員が何人もいて質問に答えてくれていたので4人ほどに「このバイパスは志木市に良い経済効果がありますか?」と聞いてみましたが「ある」と答えた人はいませんでした。バイパスによって市内に流入する車が増えても同時に市内から流出する車も増えるわけで商業的には特にプラスの経済効果が期待できるわけではないことは自明でしょう

宗岡地区の質・価値の向上?

香川武文市長は市長選挙で配布したチラシで「国道254バイパス開通!宗岡地区の質・価値の向上!」と言っていますが抽象的で意味がよくわかりません。「質・価値の向上」とは一体何なのか?「価値」については、一般にバイパスなどができるとそれに面した宅地の用途制限や建ぺい率が緩和されるために地価が上がることが多いと言われますが、本当に上がるのか?上がるとしたらその程度や範囲は?などはケースバイケースなのでどこにも保証はありません。また仮に地価が上がれば売却する人は得するかもしれませんが、住み続けようとする人にとっては固定資産税や相続税が上がるデメリットもあります

閑静な住宅街に4車線のバイパス

現在工事中の県道40号さいたま東村山線から国道463号の富士見川越バイパスにつながる部分、来年の4〜5月ごろに開通予定だと説明会で言っていました。沿道は閑静な住宅街ですがここに4車線のバイパスが通るとなぜ「質」が向上するのかよくわかりません

せせらぎの小径も分断

せせらぎの小径は静かで気持ちのいい散歩道ですが、写真左側のフェンス部分からバイパスが伸びてきて分断されてしまうそうです。説明会では渡りやすい歩道橋を作ると言われましたがせっかくの散歩道が分断されてしまうのは残念なことです。いくら車の環境規制が進んだと言っても排気ガスが0になったわけでもなく、その上の歩道橋を散歩したいとは思いません。これも香川市長の言う「質の向上」なのでしょうか?

バイバスによる地域社会の分断

このバイパスは4車線もありますので、横断のためには信号機のある横断歩道が必須です。しかし信号を増やすと車の流れが悪くなりバイパスとしての価値が下がるため、信号機のある横断歩道の設置場所は限られるとのことでした。歩道橋なども設置できる場所は限られるでしょうから、市民はこれまで気軽に行けていた場所に行くためにわざわざ遠回りさせられるケースも増え、高齢者などにとっては大きな負担になるでしょう。この時代に車(バイパス)ファースト歩行者ラストというのもいかがなものかと思います

最後に

バイパスは完成すれば便利かもしれないし私も車に乗るのであれば使うだろうと思います。しかし上に書いてきた様々な問題点を考えるとそうまでして作る必要があるのか強く疑問に思います。特に行政代執行による土地の強制収用は絶対にやめてほしいと思います

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>今井あさと

今井あさと

埼玉県志木市在住。敷島神社の近くに住んでます。長い間都内の高校で非常勤講師をしていました。教えていたのは公民科(政治経済・現代社会・倫理など)、今でも政治や社会に強い関心があります。現在はフリーランスのプログラマ(主にswift)。非正規一筋の人生です(笑

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