和光富士見バイパスについて考える3

弱者無視の歩道橋

現在和光富士見バイパスの一部分として県道40号さいたま東村山線(いろは通り)から国道463号線の富士見川越バイパスに接続する部分の工事が進んでおり、そこに歩道橋が設置されていました(下の図面の歩道橋A)がエレベーターがついていないことに驚きました。高齢者や足の悪い人は使用に難儀するでしょう、電動アシスト自転車や幼児を前後にのせられるタイプの自転車は車重がかなりあるので押して登るのもきつそうです。車椅子では使えないので横断歩道があるところまで遠回りせざるを得ません。今まで何気なく往来できていたところがこうなってしまいバイパスによる地域の分断が如実に現れています。これが市長の言う「宗岡地区の質・価値の向上!」(別項参照)なのでしょうか?写真で見る限りエレベーターを設置するスペースは十分ありますがなぜつけないのか不思議でなりません。市長・市議・県議はエレベーターを設置するように事業者である県に働きかけるべきではないでしょうか?
<2023/5/20 追記>
この写真は下の図面の歩道橋Bですが、道路横断部分よりも階段の方が長くなっており上り下りを合計すると横断部分の3倍以上の距離があるように見えました。旧来の歩道橋は急勾配のものが多いのに対し、こういう緩勾配にすることで階段一段ごとの負担を軽減しようとしているのでしょうが、その分長さが大幅に増加し、こんなに長い距離の階段を上り下りするのは高齢者や足の悪い人にとっては相当な負担ではないかと思います。別項『和光富士見バイパスについて考える』で書いた説明会では「使いやすい歩道橋をつける」と言われ、私はてっきりそれはエレベーターがついた歩道橋なのだろうと思っていましたが、まさかこれがその「使いやすい歩道橋」だったとは驚きました。私には下から階段の長さを見ただけで登るのが嫌になる「使いたくない歩道橋」にしか見えませんでした

工事部分の図面

この問題について事業者である埼玉県の朝霞県土整備事務所にメールを送り図面をいただきましたが、この図面をみるといくつか問題があると思いました

図面の全体へのリンク(約40MB)

歩道橋Aにはエレベーターが必要

歩道橋Aの部分は横断歩道が設置されず市道2117号線がバイパスで分断されるため歩道橋使用が必須になりますがエレベーターがないので歩道橋がつらい・使えない人は横断できません。この点について県に「事業者である県は車椅子で使えない歩道橋を設置することが問題であるとは考えないのですか?車椅子を使う人は遠回りすればいいという考えでしょうか?」と質問したところ以下のような回答をいただきました

(回答)
横断歩道橋のご利用が難しい場合はお手数ですが各横断歩道のご利用をお願いしております。

なんとも冷たい身も蓋もないお答えです。歩道橋Aの部分から横断歩道④または歩道橋B(これもエレベーターなし)右側の歩道までどちらも200mほどあります。今まで市道2117号線で容易に往来できていたところをこれからはわざわざ遠回りしろという、まさに車ファースト歩行者ラストの典型、住宅街を貫くパイパスなのにバリアフリーの観点が欠落し、弱者は遠回りしろと平気で言っているのは大きな問題だと思います

歩道橋Bのところの歩道は大丈夫か?

歩道橋Bの部分も横断歩道が設置されないので多くの歩行者や自転車は図面右側に横断して歩道を使うようになると思われます。そうなるとこの歩道には自転車が行き違えるだけの幅がないと危険になります。工事前の歩道はかなり狭いものでしたが大丈夫でしょうか?

<2023/5/20 追記>
実際に見てきましたが、写真のアスファルトの部分が歩道で左側の土の部分は車道になるそうです。歩道の幅は目視で1.5m程度で今までと同じくらい、ガードレールをつけるともっと狭くなるかもしれません。自転車やベビーカーの行き違いはギリギリという感じでした。工事現場の人も「ちょっと狭いですね」と言っていました

この歩道橋Bの部分ですが、歩道橋Bの下に横断歩道を設置しないのは設置すると県道40号さいたま東村山線(いろは通り)からバイパスに流入する車の妨げになるので歩行者や自転車には回り道か歩道橋を使う不便を強いるようにしています。そういう車ファースト歩行者ラストの発想ではなく、例えばここをスクランブル交差点にし、バイパスから出てくる車、バイパスに入る車、歩行者の三者が順に青信号になるようにすることはできないのでしょうか?三者の流量をセンサーで監視しながら自動制御で信号を切り替えれば渋滞を最小限にすることも可能なはずです。そこまでの予算がなければ歩行者用は押しボタン式にするのも一案かもしれません。高度成長期はそこのけそこのけ車が通るという車優先社会でもありましたが、このバイパスが50年前からの計画だからといってそんなところまで引き継がず、車と歩行者がどちらも便利に利用できる道路づくりを考えていただきたいものです

横断歩道①と②の間は完全に分断

横断歩道①と②の間は400mほどありますがこの部分は完全に分断されてしまいます。図面をみると今まで往来できていた道が3〜4箇所ほど切られてしまっているようです

地方自治

とある小さな市に住宅街を貫くバイパスが建設される、途中に歩道橋が設置されるがエレベーターがないため不自由する人がいる、コストカットとしてまっさきに弱者が切り捨てられている。でもこれは全国レベルで見ればよくあるとても小さな問題なので国会やマスコミに取り上げられることもない。地元の政治家には選挙の時は中央とのパイプがとか県とのパイプがとか喧伝する人もいるがなぜかこういう時にはそのパイプとやらは目詰まり。国家レベルでは小さい問題かもしれないけど生活者レベル市民レベルで見ればこういうことは重要な問題、毎日の暮らしにかかわる大切な問題。こういう問題が市民の合意形成がないまま進められて行くことは大きな問題だと思います。本来それを食い止めるのは市議や県議のはずですが、残念ながら志木市では市議選も県議選も無投票、労せずして議席を得た議員たちの中にこういう問題に形だけでなく本当に真剣に取り組んでくれる人は何人いるのでしょうか?無投票という地方自治の閉塞状況が残念でなりません。最終的には市民が声をあげて議会や市役所を動かしていくことが必要だと思います

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>今井あさと

今井あさと

埼玉県志木市在住。敷島神社の近くに住んでます。27年間ほど都内の私立高校で非常勤講師をした後にフリーランスのプログラマ。非正規一筋の人生です(笑

非常勤講師で教えていたのは公民科(政治経済・現代社会・倫理など)。今でも政治や社会に強い関心があり、志木市の政治についても詳しく見てみようと思いこのようなブログを立ち上げました

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