志木市民会館・市民体育館再整備で失われるもの

令和4年12月20日に志木市民会館及び志木市民体育館再整備基本設計説明会が行われたので行ってきました。市民会館(パルシティ)と市民体育館を複合化して市民会館の場所に新築(令和8年完成予定)される公共施設の基本設計の説明会です

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相変わらずのお役所仕事

土日にも開催してください

この説明会は12月15日(木)と20日(火)の2回行われたのですが、6時30分開始と一応遅めの時間設定ではあるもののどちらも平日なのでやはり多くの社会人には参加しづらいものだったと思います。市民会館と市民体育館という市民にとって非常に身近な公共施設に関する説明会なのだからせめて1回は土日にやって欲しいと思います

まともな告知すらない説明会

この説明会は広報しきなどでも告知されず、1回目の説明会は市のサイトのトップページでの掲載もなかった(苦情がきたので2回目は掲載)ため多くの市民はその存在すら知ることができないものでした。これでは説明会は実行したという形作りのための説明会と言われてもしょうがないでしょう

まるでアリバイ作りのような「市民」ワークショップ

上の画像は市役所のサイトの一部ですが、これによると6月から10月にかけてこの再整備に関する市民ワークショップなるものが行われていたようです。しかしこれは事前に告知も一般公募もされず、ほとんどの市民がその存在すら知らされないままにどこかでやっていたものであり、市民〜を名乗る資格があるのか疑問です。事後に公表されたワークショップ報告書によれば全部で5回やったようですが、1回毎に結果を公表したり事前にテーマを公表するなどして一般市民からも意見を募るなどのこともせず、市が選んだ限られた参加者のみで行ったものなのに「市民の幅広い意見を取り入れ」などと言うのはおかしいです。少なくとも「幅広い」はまったく該当しません

なぜデータを出さないのか?

この再整備は市民会館と市民体育館を別々に建て替えるのではなく一箇所にまとめて複合化して新築することが大きな特徴です。別項『志木市民会館・市民体育館複合化について考える』にも書いたとおり複合化の理由は国から補助金が出るからですがこの補助金は複合化後の新施設の延床面積が旧施設の延床面積の合計よりも小さくなることが条件です。つまり複合化には補助金というメリットもあるが延床面積の縮小というデメリットもあるわけです。しかし市はメリットの部分ばかり強調しデメリットの部分は市民にきちんと説明しようとしません。私は志木市民会館及び志木市民体育館再整備基本計画(素案)に対する意見公募で複合化によって削減・縮小される機能はなにか?具体的な一覧表をつくって公開して欲しいと要望しました(別項『志木市民会館・市民体育館複合化について考える2』参照)が、今回基本設計ができたにも関わらず未だに公開されていません。この説明会でもこの点について公開をお願いしましたが反応が鈍く明確な返事はいただけませんでした。耳触りのいいことばかり言って都合の悪いことは隠すという旧態依然としたお役所体質が露骨に現れていると感じました

なお私が調べた範囲で削減・縮小される機能のうち非常に重要なものが何点かありましたので以下に述べます

市民会館は座席数大幅削減で公演の質が落ちる?

座席数の大幅削減

市民会館の座席は現在は788ですが約500席に削減されるそうです(基本設計 概要版-08)。788から500席だと約36.5%の削減ですから3分の1以上の大幅削減ということになります。この数字を近隣の他市の市民会館ホール(複数ある場合は大ホール)と比較すると以下のようになります

市民会館座席数
志木市パルシティ788 → 500
富士見市キラリふじみ802
朝霞市ゆめぱれす922
和光市サンアゼリア1286
所沢市ミューズ2002

この表を見ると今まででも志木市は座席数が一番少ないですが、500になるとその差が大きく開き、箱の大きさとして1ランク下がるように見えます

公演の質が落ちるのでは?

788席を満席にできるような人気のある公演にとって、座席数が1/3減るということは単純計算で収入も1/3減るわけでこれほどの減収になると今まで志木に来ていた人気のある公演はもう来なくなってしまうのではないでしょうか?この点を説明会で発言したところ市の回答は「そういう人気のある公演は年に1・2回程度だからなくなってもかまわない」という趣旨のものでしたが、これはとんでもない発言だと思いました。たとえ年に1・2回でも名のある演者の公演を地元で見られることを楽しみにしていた市民はたくさんいるはずで、それをなくなってもかまわないなどと切り捨てるのは間違っています。この座席数大幅削減については今回の再整備の最大のデメリットであると言っていいと思いますし、こういうデメリットを市民にきちんと説明せずに再整備を進めていく市のやり方はおかしいと思います

志木市の市民会館ではいい公演もたくさんあった

市民会館のロビーには過去の有名な演者の公演のチラシやサインなどが展示されていますが、44年前(昭和53年)にはこんな人も来ていたんですね

ほかにも有名な落語家もずいぶん来ていました。柳家小三治、立川談志、桂歌丸、三遊亭円楽、春風亭小朝、春風亭一之輔、林家たい平などの色紙なども展示されていました。これまでは柳家小三治のような大看板まで来ていたのにこれからはよく知らない若手の柳家さんしか来なくなってしまうとしたら寂しいですね

会議室も13から4に大幅削減

これまでは会議室は市民会館に11室、市民体育館に2室で合計13室ありましたが、これが再整備後には4室になってしまいしかも市民会館での公演時の楽屋と兼用になるので公演がある日は使えなくなることもあるようです。他に多目的ルームとリハーサル室がありこれが会議室としても使えると市は説明していましたが本当にそれで十分なのか疑問です。なお、以前はマルイのビルの上に会議室を移動するという話がでていましたが、説明会ではマルイの上を使うのは工事期間中のみで工事終了後は撤収するとのことでした

施設は2つ分になるが駐車場は変わらない

現在の市民会館の駐車場は73台ですが再整備後は地下に駐車場が作られ収容台数はほぼ同じだと説明されました。しかし市民会館と市民体育館の両方の利用者が使用するためあふれることも想定されるのでその場合は市役所の駐車場を開放するとのことでしたが、市役所から市民会館までは結構距離があるので高齢者などにはかなり負担になるのではないかと思います

香川武文市長は選挙公約を守れ!

上の画像は昨年の志木市長選挙時の選挙公報ですが、この選挙で香川さんは「柳瀬川駅前鹿島ビル」という固有名詞をあげて「活用の可能性も探り」と公約していました。すでに市長選から18ヶ月以上経過しましたが、この公約の進捗がどうなっているか説明会で質問したところ「特に報告できるような進捗はない」という趣旨の説明で、%で言うと?との問には「10%にもとどかない」との回答でした。香川さんは選挙中に宣伝カーが柳瀬川方面に来るとこの公約を連呼していたのを私はよく覚えています。選挙公報にビルの固有名詞まで出しているのだからそれなりの見通しがあってのことだろうと感じた有権者も多かったのではないでしょうか?しかし説明会での話では現在でもビルのオーナーと交渉らしいことすらできていないとのことで選挙中の香川さんの公約はなんの見通しもないまま連呼されていたようです。もし選挙広報には「可能性も探り」と書いてあり探ったけどダメだったんだ!だから公約違反じゃない!と開き直るなら具体的に何をどのように探ったのかきちんと市民に報告するべきです。できもしないことをさも実現可能かのように喧伝して選挙をたたかい当選後は放置したまま風化待ちというような無責任極まりない政治姿勢は市民の政治不信を増加させ異常なほどの低投票率の一因になっていると思います

<2022/12/28 追記>

質疑概要はひどい内容

12月28日にこの説明会の結果を公開する『質疑概要』が市のホームページに掲載されましたが読んでみてあきれるばかりでした

ホールの座席数大幅削減問題のごまかし

上にも書いたとおり現在の市民会館の座席数は788ですが、これを「700席から500席に…」などと数字をごまかしており少しでも数字を小さくみせようとする姑息な印象操作を行っています。また私が言ったのは座席数が激減することで公演の質・演者の格が落ちるのではないかということでしたがそれには一切触れずに舞台の面積の話などにすり替えており、説明会での質疑の実際を反映しない大変不誠実な内容になっています

会議室大幅削減

会議室が現在の13室から4室になってしまう問題について説明会では今までの利用状況からこの数で十分などと言っていたのでその根拠となるデータを公開してほしいと言ったのですが公開されずマルイの上の話だけしか書かれていません。根拠となるデータを公開しないということは公開すると何か都合が悪いことがあると言っているのと同義なのではないでしょうか?

なぜ市民との対話を避けるのか?

説明会で私は複合化による再整備は補助金のメリットと引き換えに延床面積削減のデメリットもあるのだから、そのデメリットについても正直に市民に告げるべきであり、削減されたり面積が縮小される機能の一覧を公開してほしいと強くお願いしたのですが、質疑概要にはその点について何も触れられていません。都合の悪いことは市民に隠したままどんどん計画を進めて押し切ってしまおうという手法はとても不誠実で市民の市政への不信を招くものだと思います。こういうやり方にはこの街に暮らす一市民として強い憤りをおぼえます。メリットもデメリットもすべて公開した上で市民と対話しながら計画を進めてゆくべきではないでしょうか?ちょっとした公共施設一つ作るのにもまともに市民と対話もできない市政は情けないです

市長の選挙公約不履行についてはだんまり

上にも書いたように市長の選挙公約がまったく実行されていないことについても説明会でしっかりと質問したのですが質疑概要には何も書かれていません。こういう隠蔽体質が香川武文さんの政治家としての本質なのでしょうか?『志木市民会館・市民体育館再整備で失われるもの』というタイトルで書いてきましが、この問題で失われる最大のものは市民の市長への信頼かもしれませんね

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>今井あさと

今井あさと

埼玉県志木市在住。敷島神社の近くに住んでます。長い間都内の高校で非常勤講師をしていました。教えていたのは公民科(政治経済・現代社会・倫理など)、今でも政治や社会に強い関心があります。現在はフリーランスのプログラマ(主にswift)。非正規一筋の人生です(笑

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