悲報・令和6年度から志木市国民健康保険値上げ⁉

志木市国民健康保険税の増税案

令和6年1月29日に志木市国民健康保険運営協議会(第5回)が開催されていたので傍聴にいってきたのですが、この会議では「志木市国民健康保険税条例の一部を改正する条例(案)」が可決されました。この案は全体的には賦課総額が約8100万円増加する見込み、つまり増税案です。これから庁内で最終決定後2月後半からはじまる3月議会で審議され可決すれば令和6年度から志木市の国民健康保険の税率が変わります

増税案の詳細

国民健康保険の保険料である国民健康保険税は市区町村によって異なりますので令和5年度における近隣5市との比較と令和6年度からの志木市の増税案(赤字)を一覧にしてみました(表をクリックすると拡大表示されます)。志木市の値上げ案では医療給付費分の資産割額と平等割額が値下げで他は値上げになり世帯によって改定の影響が異なりますので以下に2つのケースで試算してみました

ケース1

非正規雇用やフリーランスで働く30代単身世帯を想定したケース。志木市R5からR6増税案では年2万円の増税になります。フリーランスでインボイス制度導入に苦しむ人にとってはダブルパンチ。近隣市も含めてすでにいずれも課税標準額の1割以上と非常に高額ですが、40歳からは介護納付金分が追加になる(志木市R6の場合71000円)ため一層の重税となります
なお国民健康保険税には所得税のような社会保険等の控除がないため課税標準額は所得−基礎控除43万円となり、この表の場合は確定申告での所得合計が343万円であったケースとなります

ケース2

夫婦で自営業を営む世帯を想定したケース。志木市R5でもすでに89万円近い重税ですが、R6増税案ではさらに89900円もの増税となり、課税標準額の約14%が課税されます。このケースは課税上限となる賦課限度額(志木市R6では合計104万円)の少し手前なので重税度が非常に高くなるケースとなります
なおR6で志木市が他市より突出したように見えますが他市もR6以降値上げする可能性もあるので一概に志木市が一番高くなるとは言えません

国民健康保険制度の問題点

国民健康保険は会社員や公務員以外の自営業・農業・非正規雇用・フリーランスなどと仕事を引退した高齢者(75歳未満)などが加入する健康保険であり、志木市では令和4年度末では全世帯の26.3%、人口の18.4%が加入しています。加入者の4割程度が高齢者なので医療費の支出が多い一方で低所得世帯も多いため財政状況は慢性的に逼迫、そのため上の2つのケースのように取れるところからはどんどん取ることになり大変な重税となって加入者が疲弊、それでも足りずに一般会計からの繰入による補填が日常化し制度自体がキシミをあげています。制度自体が脆弱なのだから国は国民皆保険を維持するために国庫からの補助を増やすなどすべきですが十分ではなく、結局どこの自治体でも加入者への増税が繰り返されているようですが、すでに課税標準額の1割以上課税されてきたのにさらなる増税にはもう耐えられないと感じる人も多いのではないでしょうか?

増税の極意は納税者にそれと気づかせぬこと?

消費税や所得税などの全国単位での増税の場合はマスコミも大きく取り上げるので国民の関心も高まりますが、国民健康保険税の場合は市区町村単位なので大きなニュースにはなりません。私自身こんなブログを書いていて日々志木市政をウォッチしているつもりでしたが、志木市国民健康保険運営協議会の会議日程の告知が市のHPに出てそのページを開いて初めて国民健康保険税の改正が議題になっていることを知りました。またそのページでも条例の改正と書かれているだけでそれが値上げなのか、値上げだとしたらどの程度なのかなどは書かれておらず、結局傍聴に出かけていってはじめて上記の詳細を知ることができました。今後はやがて志木市国民健康保険運営協議会のページに改正案が掲載されるかもしれませんが、前回の昨年12月8日の会議録すら2ヶ月近く経って未だに掲載されていないのでいつになるかはわかりません。このままだと改正案が市民に公開される前に3月議会で通ってしまうのではないか、そして多くの加入者は例年7月はじめに送られてくる納税通知書を見て、あるいは最初の銀行引き落としの額を見てはじめて増税に気づくということになるのではないかと思います。かつて増税の極意は「羊が鳴かないように毛をむしることだ」と言った首相がいたそうですが、志木市にはそんなことはしてほしくありません。市内の1/4以上の世帯に影響する増税がほとんどの市民の知らないうちに決まってしまうとしたら、これは民主主義の市政と言えるのでしょうか?

国民健康保険の今後

現在国は市区町村単位で行われている国民健康保険を都道府県単位に統合して事務処理等の合理化と保険税を都道府県で統一することをめざしています。埼玉県でもこれをうけて埼玉県国民健康保険運営方針(第3期)を策定し令和12年度からの国民健康保険税率の県内完全統一をめざしており、県内市町村もそれに応じて段階的に改革を進めていて今回の志木市の増税もその一環であるようです。私が傍聴した協議会でもその旨の説明がありましたし、今後も賦課方式の変更(資産割と平等割の廃止)やそれにともなう税率変更などを段階的に進めてゆくという話でした。つまり今回の税率変更は5年ぶりでしたが、今後も適宜税率変更が行われそれがさらなる増税になる可能性は高そうです。国民健康保険の改革は一筋縄ではいかず、市だけでなんとかなる問題でもありませんが、少なくとも市は改革にあたってコソコソやるのではなく市民に情報を公開して市民的な議論を行いながら改革を進めてほしいと思います。以下は朝霞市のHPですが、令和9年までの見通しをきちんと告知している点で志木市よりまともな情報公開をしていると思います

これが志木市の情報公開?

<2024/2/8 追記>

2024/2/8に志木市国民健康保険運営協議会のページが更新されやっと増税の情報が公開されました。上のスクショ(第5回志木市国民健康保険運営協議会の資料の部分)の赤枠で囲った3つがそれですが、これを見ても条例の改正とあるだけで中を開いてはじめて増税であることがわかります。そもそも普通に市役所のHPを見ていてこのページにたどり着くのも簡単ではありませんし(トップページの新着情報にも記載なし)、このページには他にも多数のリンクがありますので今増税が迫っていると知ることも容易ではありません。しかも議会開会の7日前にやっと公開というのでは「事前に市民に告知しました」というアリバイ作りのためのものとしか思えません。ちゃんとした情報公開というのは以下のような条件を満たしているものではないでしょうか?
  • 一目で増税であることとその詳細がわかる記述
  • 私が上にあげたようなモデルケースを算出
  • そのページの存在がわかるようにトップページで告知
  • 増税案が決まってからではなく検討段階での情報公開

令和9年度までにさらに増税になるかもしれない

志木市国民健康保険運営協議会のページの令和5年度第4回志木市国民健康保険運営協議会の資料に『国民健康保険運営協議会 答申案』というものが公開されています。私はこの第4回も傍聴に行っていてこの答申案は会議で承認されたのだから早く公開してほしいと繰り返しお願いしたのですが決定からまる2ヶ月たってやっと公開されました。そしてこの文書には今後「保険税率の段階的な見直しはやむを得ないものと判断した」とあり今回の増税はこの「段階的な見直し」の第一歩であることがわかります。この先の「見直し」がどのようなものになるのかは分かりませんが、全体的な状況から見るとさらなる増税の可能性が高いのではないかと心配されます。国民健康保険は制度的に大きな矛盾があるため一地方自治体だけではいかんともしがたい部分もあるかもしれませんが、そうであるならそのことをきちんと市民に説明し、たとえ反対意見の嵐になったとしてもその一つ一つに丁寧に対応することで市民的な合意形成を図るべきではないでしょうか?少なくとも現時点での志木市のやり方はできるだけ市民に知らせずにコソコソと手続きを進め、与党多数の議会にかけてしまえばもう安心、羊はさほど鳴かなかったという手法になっていると思います

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>今井あさと

今井あさと

埼玉県志木市在住。敷島神社の近くに住んでます。27年間ほど都内の私立高校で非常勤講師をした後にフリーランスのプログラマを経て現在はほぼ休業中。非正規一筋の人生です(笑

非常勤講師で教えていたのは公民科(政治経済・現代社会・倫理など)。今でも政治や社会に強い関心があり、志木市の政治についても詳しく見てみようと思いこのようなブログを立ち上げました

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