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志木市議会では非核三原則堅持の意見書に5名の議員が反対

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非核三原則の堅持を求める意見書

志木市議会(定数14)は2026(令和8)年6月定例会において「非核三原則の堅持を求める意見書(案)」を議長を除く13議員中賛成8、反対5の賛成多数で可決しました。

各議員の賛否

賛成した議員(敬称略)

  • 今村弘志
  • 阿部竜一
  • 小池真由美
  • 古谷孝
  • 上野琢磨
  • 高山優太
  • 天田いづみ
  • 中村智紀

反対した議員(敬称略)

  • 岡島貴弘
  • 田畑寛治
  • 安藤圭介
  • 河野芳徳
  • 鈴木潔

非核三原則の堅持を求める意見書(案)

全国で急増する非核三原則堅持の意見書
高市政権発足以後、全国の地方議会で非核三原則堅持を求める意見書の提出が急増しており、参院事務局の集計によると、高市政権誕生の2025年10月21日から2026年7月28日までに、少なくとも36都道府県の128議会が同種の意見書を提出。これは国会での意見書受理が始まった2000年7月以降の政権で最多、近年の同種の意見書提出数の菅政権0、岸田政権3、石破政権0という数と比較しても突出しています。その背景にはかねてから非核三原則の「持ち込ませず」の見直しを持論としてきた高市早苗首相が首相就任後も見直しを否定しないことなどへの強い警戒感が全国的に広がっていることにあると言われています

志木市議会での賛否の構図

この意見書の提出者は公明党の小池議員、賛成討論も同じく公明党の今村議員であり公明党主導の意見書に立憲民主党・日本共産党・無所属の議員が賛同し、合計8名の議員が賛成。一方反対は最大会派しきの会(自民党系+日本維新の会)4名と無所属の合計5名の議員。公明党としきの会は共に現香川武文市長を支持してきた与党としての友好関係にあり、党派的対立が今回の賛否を分けているのではないようです

上記の意見書全文を読むと、その内容は自衛隊や日米安保体制の是非などを争うようなものではなく、非核三原則にしぼってその堅持を求めたものです。そもそも非核三原則は自民党の佐藤栄作首相が表明し、以後の歴代自民党政権も国是としてきたものです。なぜ志木市議会では自民党系のしきの会が反対したのでしょうか?
以下に実際の志木市議会での議論をまとめてみました

志木市議会での議論

この意見書の採決にあたっては以下の5名の議員が発言しています。全文は議会議事録(令和8年6月定例会06月23日-07号)で読むことができますが、要旨を簡単にまとめると以下になります。恣意的な要約を避けるためにChatGPTに議会議事録を読ませて各議員の発言を200字程度に要約させました

小池真由美議員(提案理由説明・公明党)

志木市の健康平和都市宣言を踏まえ、非核三原則の堅持と核軍縮・平和外交の推進を国に求める。核による威嚇や軍備拡張が懸念される今、唯一の戦争被爆国である日本が平和国家として歩み続ける意義は大きいと強調。本意見書は個別の安全保障・防衛政策の是非を論じたり、政府方針に異議を唱えたりするものではないと説明する。特定の政党や思想によらず、平和を願う市民共通の思いを国に届けることが地方議会の役割であると訴える。

鈴木潔議員(反対討論・しきの会・自民党)

核兵器を肯定せず、被爆国として軍縮や平和に取り組む重要性は認めるが、政府は既に非核三原則を堅持しており、現状確認にとどまる意見書の必要性は乏しいとして反対。周辺国の軍備拡張など安全保障環境の変化と、米国の核の傘に依存する現実を踏まえ、「持ち込ませず」と有事の国民保護について十分な議論が必要とする。直ちに原則の見直しを求めるものではないが、堅持を前提とせず、国会で現実に即した議論を尽くすよう求めるべきと訴える。

今村弘志議員(賛成討論・公明党)

唯一の戦争被爆国として、広島・長崎の惨禍の記憶と教訓を後世に継承し、核のない世界を目指すことは重要な責務であると主張。地域紛争や国際的緊張が続き、核の脅威が存在する今こそ、非核三原則の意義を再確認すべきとする。平和国家の歩みを支えてきた国是を将来にわたり堅持し、核軍縮と平和外交を進めるよう国に求める。日本被団協のノーベル平和賞受賞にも触れ、志木市議会が平和への願いを共有し、国に届ける意義を強調する。

田畑寛治議員(反対討論・しきの会・日本維新の会)

戦争に反対し核廃絶を理想としながらも、周辺国の核の脅威に対抗する抑止力を重視。「持たず、作らず」は維持する一方、米国の核搭載潜水艦の寄港など「持ち込ませず」には議論の余地があると主張する。有事の核持込みをめぐる過去の政府答弁も挙げ、三原則の固定化は日本を縛り、核保有隣国を利すると指摘。政府が堅持を表明している今の意見書提出は、国会での議論を妨げかねず、国民を核攻撃や威嚇から守る現実的な議論を優先すべきと訴える。

岡島貴弘議員(反対討論・無所属)

当初は政府の従来の考え方を追認する意見書と理解し、賛成者として署名したが、再検討して反対に転じたと説明。有事の同盟国による核持込みについては、政府が判断し国民に説明するという2010年の岡田外相答弁が、現政権にも踏襲されていると認識する。本意見書は有事の核持込みに関する議論まで排除すると読まれるおそれがあると指摘。議論の必要性を認める文言があればよいが、現状では市議会の意思について誤解を招きかねないと主張する。

私の感想

以下、志木市議会議員の発言部分はすべて議会議事録(令和8年6月定例会06月23日-07号)からの引用です

発言者が少ない
このブログ立ち上げ以来、志木市議会を見続けてきていつも思うのですが、この手の意見が分かれるような場面ではもっと多くの議員が発言するべきではないでしょうか?現在の日本の市町村議会でもっとも定数が多いのは横浜市の86名ですが、志木市議会はそれに比べればわずか14名、議長を除けば13名ですから全員が5分ずつ発言しても65分です。単に賛否の意思表示をするだけではなく、議員一人一人がそれぞれ市民の代表としてこの問題をどう考えるのかを自分の言葉できちんと市民に説明していただきたいです

この意見書が議論を封じる?
田畑議員は「地方の議員が国での議論を妨げるということがあっては、決してならない」、岡島議員は「この意見書に関しまして、核の持込み、有事の際の持込みについての議論すら排除してしまうかと読み取ることもできると思いまして」と発言していますが私は賛成できません
そもそもこの意見書は地方自治法99条の「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる」という規定にもとづいているものであり、国会が定めた法にもとづく行為が「地方の議員が国での議論を妨げる」と批判するのは奇妙な話です。むしろこれは地方議会が議決を通じてその地方の民意を国会に届ける行為であり、いうなれば議会制民主主義を支える毛細血管のようなもの、議会制民主主義を健全に保つ重要な行為であるといっても過言ではありません。そして今回は同様の意見書が全国的に広がっているのであり、それが国会での議論の妨げになると感じる国会議員がいるとしたら、その国会議員は民意に耳を傾けようとしない議員であるということになるのではないでしょうか?
また、自由な意見表明の権利は日本国憲法21条で保障されており、地方自治法99条の規定も意見書が法的拘束力を持ちその内容を強制するとか反対意見を排除するようなものではなく、今回の意見書の全文を読んでも議論を排除するような文言は一切ありません。この意見書が採択されたとしても、反対意見はいくらでも述べられるのであり、岡島議員の「議論すら排除してしまうかと読み取ることもできる」というのは過剰反応であると思います。この意見書を読んで「今後は議論ができなくなる」と感じる人はいるでしょうか?

しきの会はタカ派寄り?
鈴木議員は非核三原則の「持ち込ませず」について「有事においてもこの原則をどのように堅持するのか・・・十分な国民的な議論や国会での議論」が必要、田畑議員は「アメリカの原潜に核が積まれて、例えば日本に寄港しているということが起きると、中国も北朝鮮もロシアも日本には核攻撃できないんですよ、これが抑止力です」「日本だけが理想を追って、自国を縛る非核三原則の固定化にこだわるというのは違うのではないかなと私は考えています」と述べています。つまり非核三原則の「持ち込ませず」には議論の余地があるというのがしきの会の反対意見の芯であるようです。これは高市首相が「持ち込ませず」の見直しを持論としており、それへの警戒感が今回の全国的な非核三原則堅持の意見書提出の動きになっている状況をうけ、その意見書に反対することで高市政権を援護しようとしているのだと感じられます
しかし、同種の意見書は少なくとも全国128議会で採択されているということは、自民党系・保守系でも賛成している議員も少なくないのだろうと思われます。全国市議会議長会のHPで同種の意見書を検索し、そのいくつかの採決状況を見たところ、埼玉県では蓮田市は全会一致で賛成、富士見市は国民民主党と日本維新の会以外は賛成、春日部市は日本維新の会と無所属1名以外は賛成となっており、自民党系・保守系なら必ず反対というわけではないようです。ということは志木市の保守系会派であるしきの会はタカ派寄りであるという評価になると思われます。田畑議員はこの点を気にしているようで、反対討論の冒頭で「あいつはタカ派ではないかとか、すごい右に寄っているんではないかとか、あるいは戦争したいんではないか、そういうことをおっしゃる方がたくさんいらっしゃるというのが現実ではないかと思います。」「私でも、けんかだって嫌いですし、ましてや戦争なんて大嫌いですよ。タカ派ではないです。」と述べていましたが志木市民のみなさんはどう感じるでしょうか?

核抑止力論の危うさ
高市首相の持論である「核持ち込み」見直しとは、在日米軍による日本への核持ち込み黙認疑惑が濃厚であり、非核三原則は事実上非核2.5原則になっているなどと言われてきた現実において、これを公認し近隣核保有国の先制核攻撃の意思を(在日米軍の)核による反撃の脅威によりくじくという核抑止力論です
この核抑止力論については様々な議論がありますが、その本質は核で威嚇し合うことによる軍事的均衡、核の恐怖による均衡であり、私はそれを平和とは呼べないと思います。田畑議員は米の「原潜に置いてある、持っている核爆弾というのは攻撃されないですから、物すごい脅威になるんです」と述べていますが、米の潜水艦が核攻撃を行えば相手国は米本土を反撃対象にするが、そういうリスクを負ってまで米が日本のために核を使うのか?使わないだろうと相手国が判断すれば抑止力にはなりません。米ソ2大国の冷戦時代はある程度相手国の意図を読み合うことが可能であったかもしれませんが、現在のように多極化し核保有国も増え様々な指導者が核攻撃の決定権を持つ国際情勢において、核の恐怖による均衡が永続的に保たれるだろうという思考も単純すぎるのではないでしょうか?また仮に在日米軍依存の抑止力が効果を持つとしたら日本はいつまでたっても米に頭があがらなくなります
他国の軍事的脅威を強調し、自国の軍事力を高め、さらには核による威嚇も強め、一度でも破綻すれば壊滅的な惨禍をもたらすであろう恐怖の均衡によるかりそめの安定ではなく、私はどんなに困難な道であっても平和外交による国際平和の構築をめざすことこそが政治家の使命であると思います

国体の維持?
今回の田畑議員の発言を読んでいてちょっと驚く部分がありました。その部分の段落を以下にそのまま引用します

 最後に繰り返しになりますけれども、国に意見書を送るということをおっしゃっている以上は、地方議員であっても政治に携わる者としましては、きちんと国際情勢や国防、国体の維持に関して熟慮を行っていただいて、そして、万が一にも隣国から核を利用させない、そういうことを考えるべきだと私は思います。

気になった部分を赤字にしましたが、彼の言う「国体」ってなんでしょうか?戦前の日本では神聖不可侵の天皇を国の元首にして統治権の総攬者とする大日本帝国憲法の体制を国体と呼び、政府はその「国体護持」を至上命題としていたわけですが、それによく似た「国体の維持」という表現を戦前回帰のようだと感じるのは私の考えすぎでしょうか?そうではなく、現在の日本国憲法の国家体制を「国体」と呼んでいるというのであれば、日本国憲法9条には「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」とあり、現代世界最強の武力である核兵器による威嚇という核抑止力論は「国体」に矛盾することにはならないのでしょうか?田畑議員のご説明を聞いてみたいものです

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この記事を書いた人

埼玉県志木市在住。敷島神社の近くに住んでます。27年間ほど都内の私立高校で非常勤講師をした後にフリーランスのプログラマ。非正規一筋の人生です(笑。非常勤講師で教えていたのは公民科(政治経済・現代社会・倫理など)。政治や社会に強い関心があり、志木市の政治についても詳しく見てみようと思い、2021年からこのようなブログを続けています。一市民の目線で志木市政をみつめていくうちに今の志木市政や市議会にいろいろな疑問をもつようになり、その疑問をぶつけたいと2024年(令和6年)には志木市議会議員選挙に立候補しましたが落選。政党や組織に属さない本当の無所属・一市民としての壁の厚さを痛感しましたが、くじけずにこれからもコツコツと志木市政について発信を続けていきたいと思っています

今井あさと
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