志木2中学区合併問題に高まる市民の反対の声 その2

志木2中学区の3校合併に反対する市民団体の方から新しいチラシをいただいたので紹介します

志木市小中一貫教育を考える会

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チラシの上段の校名の件ですが、私も毎月の志木第二中学校区義務教育学校開校準備委員会に傍聴に行っていて驚きました。校名については8月と9月の開校準備委員会で議論してスッタモンダのあげくに「志木の森学園義務教育学校」に決まっていたのですが、10月の開校準備委員会の冒頭に教育長が教育委員会で審議したところ長すぎるので「志木の森学園」とすることになったので了承してほしいと告げて話が終わりました。せっかく議論して決めても教育委員会で簡単にひっくり返されてしまうのであればこの開校準備委員会とは一体なんなのか?教育委員会が一方的に決めているのではなく第三者の開校準備委員会の審議を経ていろいろ決めていますよという形をつくるためだけの形式的なものにすぎないのではないかという印象をもちました

小中一貫した教育課程の編成・実施に関する手引

チラシの裏側に書かれている「手引き」(文部科学省が出している『小中一貫した教育課程の編成・実施に関する手引』)の全文はリンク先のPDFで読めますが私も読んでみて大変参考になりました

文科省自身が必ずしも義務教育学校を目指す必要なしと明言

上記は手引の23ページの一部ですが、チラシに引用されていることがはっきりと明記されています。志木市は小中一貫教育において義務教育学校こそがもっとも優れた手段であると言い2小と2中を渡り廊下で繋いで無理やり施設一体型の体裁にしようとしていますが、そんなことをしなくても「顕著な成果を出している事例も多数みられます」と文科省自身がいっているわけで、志木市の教育長はこれにどう答えるのでしょうか?

義務教育学校と学校選択制・中学受験

上記は手引の24ページの引用です。②の学校選択制は子どもたちをいじめや不登校から守る上で有効な制度であり市は今後もこれを維持すると言っていますが、制度は維持されても志木2中学区だけ9年制で他の学区と異なることにともなう不安や不都合が両者間の移動の妨げになる可能性が心配されます。また現在の志木市では中学受験をする児童も少なくないと聞きますが、その際にも同様の不安や不都合が生じることを③が指摘しており、手引ではこのようなケースでは「義務教育学校制度よりも小中一貫型小・中学校制度の方が活用しやすい」とうたっています

中1ギャップではなく小中ギャップ

上記は手引13ページの引用です。志木市は義務教育学校化のメリットとして「中1ギャップの解消」という言葉を繰り返しますが、文部科学省の下にある国立教育政策研究所が発行している『「中1ギャップ」の真実』というリーフレットでもこの便利な用語で思考停止になることに警鐘を鳴らしており、この手引においても中2・中3の不登校増加数は中1とほぼ同数であり、中1ギャップという言葉で中1にばかり着目し「小・中学校の接続面だけの取組に矮小化してしまう危険性」を指摘しています。志木2中学区に導入しようとしている義務教育学校と他の学区の小中一貫型小・中学校の最大の違いはまさにこの小・中学校の接続面の違いであり義務教育学校にしさえすれば中学生の不登校全体の改善が期待できるかのような考えはまさに思考停止による過度な期待なのではないでしょうか?

義務教育学校が小中一貫型小・中学校より優れているわけではない

教育長やコーディネーター氏は義務教育学校こそが新しい時代の新しい教育を行うのにもっとも適した優れた方法であると言っていますが、上に見てきた手引の指摘をみてもこれが間違いであることは明白です。また別項『志木2中学区の義務教育学校化は白紙撤回すべき』に書いた通り義務教育学校の先進例であったつくば市が新規には義務教育学校をつくらないと決めたことをみれば実践例からもこのことは裏付けられています。志木市は今すぐ無謀な義務教育学校化を白紙撤回するべきです

渡り廊下にいくら使うのか?

現在の志木2中学区の義務教育学校化の計画では渡り廊下で2つの校舎を繋げようとしていますが、一体これにはいくらかかるのでしょうか?この学区にだけそんな多額の予算をつぎ込むことは他の学区から見て不公平なのではないでしょうか?

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>今井あさと

今井あさと

埼玉県志木市在住。敷島神社の近くに住んでます。27年間ほど都内の私立高校で非常勤講師をした後にフリーランスのプログラマ。非正規一筋の人生です(笑

非常勤講師で教えていたのは公民科(政治経済・現代社会・倫理など)。今でも政治や社会に強い関心があり、志木市の政治についても詳しく見てみようと思いこのようなブログを立ち上げました

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