志木2中学区合併問題に高まる市民の反対の声 その3

11月22日に行われた志木市小中一貫教育推進委員会(第9回)を傍聴に行ってきたのですが、その際また市民団体の方からチラシをいただきましたので紹介します

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志木市小中一貫教育推進委員会(第9回)

志木2中学区は4-3-2制に
この委員会では志木2中学区は6-3制をやめて最終的に4-3-2制にすることにしたそうです。変更の理由としては6-3制では小学校のリーダーとして小6の負担が大きいので小4にその負担を分けることで負担軽減を図るためなどと説明されていました。しかしその後の質疑では以下のようなやり取りがおこなわれていました
Q:小4にリーダーをさせるのは難しいのでは?
A:小4にやらせるのはごく限定的な部分での軽いリーダーのみ
Q:4-3-2制への移行には保護者から不安が出るのでは?
A:6-3制から4-3-2制といっても劇的に変わるわけではない、法令上の前期6年・後期3年の区切りはそのまま(教科書や学習内容も変わらない)
Q:他の学区は変更なしなので指摘された6-3制の問題点が残るのでは?
A:いままでの小中一貫教育でも様々な取り組みを行ってきており、6-3制のままでも充分に対応可能
これを聞く限りでは教育委員会が言っている4-3-2制への移行には特に教育上の有効性・必要性があるわけではなく、単に義務教育学校化するための大義名分、具体的内容は何一つ明示されずに繰り返されるスローガンだけの「新しい時代の新しい教育」とやらの体裁づくりに過ぎないのではないかと感じました

義務教育学校は特別に優れた方法ではない
上の問答を見てもわかるとおり、本件で根本的に欠落しているのは義務教育学校にしなければならない教育上の有効性・必要性の説明です。志木市の教育委員会は他の3学区は小中一貫型小学校・中学校のままで志木2中学区だけを義務教育学校にする教育上の必要性を一度も説明できていません。その理由は簡単でそもそも義務教育学校が教育上特別に優れた方法というわけではなくむしろ問題もある(後述)からで、このことは別項『志木2中学区の義務教育学校化は白紙撤回すべき』や『志木2中学区合併問題に高まる市民の反対の声 その2』でも述べてきたとおりです。現在全国的に義務教育学校は増えつつありますが、その多くは人口減少に悩む地方都市や過疎地域などで財政的に小中別々の学校を維持することが苦しいことを理由にした小中合併による義務教育学校化、すなわち教育上の必要性ではなく財政上の必要性に迫られた結果の義務教育学校化です。一方都市部では用地不足などを理由に強引に1つの校舎でマンモス学校化する例もあるようですがこれも教育上の必要性からとは言えません。志木市の教育委員会は志木2中学区を義務教育学校化する教育上の必要性を市民にきちんと説明する責任があるはずなのにそれを果たそうとしていません

卒業・入学という節目の価値
上に紹介したチラシでも強調されていますが小学校卒業・中学校入学という節目は教育上極めて重要であると思います。長い人生には様々な節目や転換期といえるものがあり、それに対応してゆく力を身につける上で小学校卒業・中学校入学というイベントは他に代え難い学習機会です。9年制の義務教育学校は学年間の移動の落差を最小化しようとするためこれを単なる6年生から7年生への進級へと矮小化してしまいます。志木市教育委員会はこの問題に対し卒業式・入学式に相当する儀式(詳細は未定で実施は現場まかせ)を行うなどと言っていますが、そもそも同一学校内での進級は卒業でも入学でもないし、そういう「ギャップ」をなくすことを大きな目的の1つとして9年制にするわけですから、なくしたものに相当する儀式などというものは作りようがありません。既存の義務教育学校では前期課程修了式などの儀式で修了証を渡したりしている例があるようですが、果たしてそれが児童生徒の内面で卒業と同レベルに人生の節目として意識されるのか疑問です。この小学校卒業・中学校入学という節目の重要性については別項『志木2中学区の義務教育学校化は白紙撤回すべき』の中でも紹介した今後義務教育学校の新設はしないと決めたつくば市の元教育長のインタビューの中でも強調されています

2小と2中をつなぐ渡り廊下にはいくらかかるのか?
現在志木市は2中と2小の校舎を渡り廊下で繋いで無理やり一体型校舎の体裁を作ろうとしていますが、一体これにはどれだけのお金がかかるのか?2023年12月市議会定例会で審議される「令和5年度志木市一般会計・特別会計補正予算の概要」の中に「志木第二中学校区義務教育学校整備基本設計業務委託(R5~6)」として限度額1980万円という項目があり、手始めの基本設計業務だけで最大1980万円かかるようで、実際の工事へと進むと億単位の予算が必要になるのでしょう。他の学区でも設備の老朽化や備品の不足など予算を求める声もあるだろうと思いますが、それらを後回しにして、しかも地元住民が望んだわけでもないのに、志木2中学区にばかり多額の予算をつぎ込むことに果たして市民的な理解は得られるのでしょうか?

傍聴席が足りない!
今回は傍聴希望者が6名いましたが会場の都合とやらで5名までしか入れず1人の方が辞退してくださることになってしまいました。実際会議室に入ってみると確かに窮屈ではあるもののあと数名分の椅子を置くスペースはありました。志木市教育委員会は希望する市民が1人でも多く傍聴できるようにするべきです

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>今井あさと

今井あさと

埼玉県志木市在住。敷島神社の近くに住んでます。27年間ほど都内の私立高校で非常勤講師をした後にフリーランスのプログラマ。非正規一筋の人生です(笑

非常勤講師で教えていたのは公民科(政治経済・現代社会・倫理など)。今でも政治や社会に強い関心があり、志木市の政治についても詳しく見てみようと思いこのようなブログを立ち上げました

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